冬の間は寒いし積雪もあるから登山はオフシーズンにしていた人も、ポカポカ陽気に誘われてソワソワしはじめたのではないでしょうか。今年も山シーズンの到来です。さっそく休日に登山といきたいところですが、その前にしっかりと準備しましょう。

登山道具は秋に使ったままにしている場合、道具が劣化していて使えないなんてことも考えられます。登山口に到着してからそれに気付いたというのでは困りますので、ここでは山シーズン前にしておくべき準備についてわかりやすく解説していきます。

しっかりと準備をしてシーズン最初の登山を成功させよう
しっかりと準備をしてシーズン最初の登山を成功させよう

登山道具が劣化していないかチェックしよう

シーズン終了時にきちんとメンテナンスして保管しておけば、登山道具もよい状態で維持できているはずですが、「冬も少しくらいは登山するかも」と思って、メンテナンスせずに保管していたらボロボロになっていることがあります。

いざ登山に出かけようとしたら、家を出て数メートルでシューズのソールが剥がれるなんてこともありえます。そうならないために大事なのは事前の道具チェックです。登山道具ごとのチェックポイントを見ていきましょう。

●トレッキングシューズ

トレッキングシューズはまずソールをチェックしましょう。アウトソールの凹凸がなくなっていたら、登山中に滑ってしまうおそれがあるのでNG。またミッドソールにヒビが入っていたり、ベタついたりしても劣化が進んでいる証拠です。

アッパーが破けていたり、ほつれがある場合には補修しておきましょう。ただし、5年以上履いているなら交換時期です。気になる部分があるなら思い切って買い替えてください。

●トレッキングポール

トレッキングポールは亀裂が入っていないか、ゴム部品が劣化していないかを確認。ポールそのものに亀裂があるとそれは交換のタイミング。いつ折れてもおかしくないので買い替えましょう。ゴム部品だけの劣化なら、部品交換でOKです。

グリップやストラップも、劣化していないか確認してください。グリップはベタつくようなら交換のタイミング。ストラップは目視で構いませんので、ちぎれそうになっていないかチェックしておきましょう。

●バックパック

バックパックはまず、目視で穴が空いていないか、ほつれがないか確認してください。ファスナーも問題なく動作するか実際に動かしてみて、動きがスムーズでないなら、ファスナーに蝋やワセリンを歯ブラシなどで塗ると改善しますので、試してみてください。

気を付けたいのが樹脂部品の劣化です。バックパックのバックルはたいていは樹脂でできていますが、これが劣化すると簡単に割れてしまいます。ヒビが入っていたり、目視で明らかに劣化している場合には、新しいバックルに交換しておきましょう。

●ライト類

電池タイプのヘッドライトや懐中電灯を使っている人は、電池を新しいものに交換してください。もしくは予備の電池を用意して、電池切れしても困らないように備えておきましょう。

登山道具が劣化していないかしっかりと確認してください
登山道具が劣化していないかしっかりと確認してください

荷物を背負って1時間程度のウォーキングで足ならし

山シーズンに向けて道具だけでなく、自分の体も準備が必要です。たった数ヶ月でも、山から離れてトレーニングもしていないとなると、筋力も体力も低下しています。まずはバックパックを背負ってウォーキングからやり直しましょう。

いきなり全力ではじめるとケガのリスクがありますので、まずは休日に1時間程度。難しければそれよりも短くて構いません。できるだけ坂道や階段のあるコースを選ぶのがポイントです。フラットな道ばかりですと、登山に必要な筋肉がつきません。

休日だけでなく、平日も積極的に階段を利用してみてください。こういうのは小さな積み重ねが重要。ちょっとした空き時間にスクワットをしたり、ランニングをしたりして、ゆっくりと登山できる体を取り戻しましょう。

冬の間に体重が増えた人は、体重を少し落としておくのもおすすめです。ムリな減量は避けるべきですが、体重が1kg軽いだけでも登山時の負荷が大きく変わります。登山をしていれば自然に減っていきますので、オフシーズン前の体重まで戻す必要はありません。1ヶ月の準備期間で1kg減を目指しましょう。

いきなり山に入るのではなく、まずはウォーキングから
いきなり山に入るのではなく、まずはウォーキングから

まずは慣れた山や500m以下の低山で計画を組もう

道具も体も準備OKとなったら、あとは登山をするだけですが、いきなり標高の高い山は避けて、まずは500m以下の低山でプランを組んでください。いくらトレーニングをしていても、シーズンインしてすぐには思うように体は動きません。

この時期は桜や新緑などが美しいので、風景を楽しむつもりで低山や里山を歩くのがおすすめです。標高が高いと積雪があることも考えられるので、体が慣れていないこのタイミングは回避するのが賢明。難易度が低い山は、同行者を募りやすいといったメリットもあります。

標高が低い山を選んでも、山頂を目的地としないようにしてください。もちろん「うまく歩けたときの目的地」とするのは構いませんが、それをプランAとして、思ったような登山にならなかったときのために、途中で引き返したりエスケープしたりするプランBも用意しましょう。

慌てなくても山は逃げません。そして繰り返し登山していたら、筋力も体力も戻ってきます。まずは自分の現状確認を重視して、ムリのないプランでシーズン最初の登山を満喫しましょう。

いきなり高い山に挑戦するのではなく、まずは難易度が低い山で再開しよう
いきなり高い山に挑戦するのではなく、まずは難易度が低い山で再開しよう