これから収穫を迎え、新物も目にする機会が増えてくる『大豆』。せっかくの自然の恩恵を、ぜひ、丸ごといただいてみてはいかがでしょうか?

大豆は低カロリーで、植物性の良質なタンパク質が豊富に含まれている食材です。日本では、大豆の様々な加工品などを口にする機会も多いですが、健康的な食事の1日のバランスを取る上でも、ぜひ、意識して摂取して欲しい食材でもあります。今回はその大豆を丸ごといただくべく、『豆腐』や『豆乳』、『おから』の作り方をご紹介します。自分で作ってみた、その味わいにきっと驚きが!身体も心も喜ぶ食べ物の力を取り入れてみましょう。

「大豆」に注目!のなぜ!?

豆腐やおからなどもちろんですが、醤油やみそなど、さまざまに加工される「大豆」。そのままの形で食するよりも、違った形で口にする機会の方が多いかもしれませんね。大豆には、タンパク質が非常に多く含まれていて、それは「畑の肉」と呼ばれる所以でもあります。タンパク質は身体の組織を作る、非常に大切な栄養素です。一方でカロリーなどの体を動かすためのエネルギーのもととなる炭水化物は、あずきやひよこ豆などと比べてみても、半分程度の含有量です。エネルギーとして使われなかった炭水化物は、体内で糖分に変わったのち、中性脂肪に変化します。中性脂肪は、体にエネルギーを貯蔵する大切な役割を担っていますが、多過ぎる中性脂肪のほとんどは、体外に排出されずにや内蔵脂肪や皮下脂肪として体に蓄えられていきます。この内臓脂肪や皮下脂肪が増えすぎると「肥満」ということになります。しなやかな身体を作るためには、身体を作るためのタンパク質を豊富に、そして、余分な脂肪を作り過ぎないように炭水化物は少し控えめに、とバランスを取りながら摂取することが大切です。

参照サイト

食品成分データベース

『豆腐』と『おから』

これからの時期、大豆の新物を見かける機会が増えてくるかと思います。せっかくの時期ですので、豆腐や豆乳、おからを手作りするのも楽しいかもしれません。市販のものとの味の違いを楽しむのも、またひとつ。どうやってできているのか知ることができるので、食育や丁寧な暮らしにつながるかもしれませんね。それでは作り方を見てみましょう。

☆準備するもの

大豆* 300g

大判のサラシや木綿、手ぬぐいなどの清潔な布

木べら

大鍋

大きなボウル

豆腐用の穴の空いた型

温度計

片手鍋

にがり(豆乳500ccに対して) 小さじ2

水切り用の網付きのバット

*アクも捨てずに作るレシピですので、できるだけ良いものを手に入れましょう。

☆作り方

1. 大豆はよく洗って3倍以上の水に浸ける。(気温の高い時期は12時間程度、低い時期は24時間程度を目安にしましょう。)

2. 大豆と、ひたひたになるほどの量の浸けていた水をミキサーに入れてペースト状にします。(一度に行おうとせず、数回に分けましょう。)すり鉢などですってもOKです。

3. 出来上がったペーストと、その2倍ほどの水を大鍋に入れて中火にします。

4. 沸騰して泡が出てきたら、火を弱めます。

5. 木べらで混ぜながら、吹きこぼれないように火加減に気を付けながら煮ていきます。

6. 煮ながら香りに注意しましょう。生の豆の匂いから、煮上がった香りに変化したら、火を止めます。

7. 大きなボウルに布を被せます。そこに6.を注ぎ入れます。

8. 片方の手で布を絞り、もう片方の手で木べらでしごくように水分を絞り出します。とても熱いので火傷などに注意しましょう。

9. 絞りきった布に残ったものが『おから』です。絞り出した水分は『豆乳』です。

10. ここから豆腐を作っていきます。片手鍋に9.の豆乳を入れて、温度を計ります。75℃になるよう、木べらで混ぜながら、必要があれば弱火で加熱します。

11. 木べらを伝うように、にがりを静かに回し入れ、ゆっくりと全体に混ざるように2、3度混ぜます。蓋をして、30分ほど寝かせます。

12. 型にキッチンペーパーを敷いて、11.をお玉などですくい入れて、平らにならします。型からはみ出しているキッチンペーパーを包むように上にかぶせます。

13. 網を重ねたバットの上に12.を置いて、平な場所で好みのかたさ*まで水切りをします。これで『豆腐』の出来上がりです。

*目安は、冷蔵庫で一晩おくとしっかりとしたかたさになります。

今では珍しくなったこの光景。手作りの良さと温もりを自宅で再現してみるのも面白いと思いますよ。

※公開後、一部情報を加筆しています(2021.10.5)