まさに今の時季から、冬に向かって美味しくなる里芋。でも、ジャガイモやサツマイモに比べて意外と地味な感じがしませんか?
調べてみると、実はびっくりするくらいの栄養成分がたくさん詰まった優秀食材なのです。
さらに、食べ方もひと工夫するだけで、ダイエットにひと役買ってくれる頼もしい存在ということも判明!
歴史的にも奥が深いうえ、おなじみの「東北地方の芋煮会」をはじめ、いろいろな料理に使える里芋を、旬の今こそ美味しく食べてみてはいかがでしょうか?
■今夜のおかずに里芋を買いに行こう!
イモと聞くと、ジャガイモやサツマイモを思い浮かる人が多いことでしょう。
でも、ジャガイモやサツマイモが日本に入ってくるまでは、「イモ=里芋」のことを指していました。しかも、日本に里芋がやってきたのは、紀元前という記録もあるほど、「里芋」と日本人のつきあいは古く、馴染みの深いものなのです!
そして、そんな長い歴史をもつ里芋は、東南アジアから伝わった食材とされています。
何より「里芋」といえば、皮をむいた時の独自のぬめぬめ感が特長ですね。このぬめぬめ感は「ガラクタン」という成分と「粘液糖タンパク質の混合物」の食物繊維によるものなのですが、これらのすごさを今回はご紹介します。
読んだ方はきっと「今夜のおかずに里芋を買いに行こう!」と思うはずです(笑)。
■里芋のすごい栄養「ガラクタン」って?
あまり聞き慣れない言葉ですが、ガラクタンとは炭水化物とタンパク質の複合体のことを指します。里芋に含まれるガラクタンには、とてもたくさんの優れた効能があると言われています。代表的な効能をご紹介すると……
【コレステロールを下げる】
加齢ともに血管壁に溜まるコレステロール。そのままにしていると心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化といった症状が誘発される可能性があるため、コレステロールの摂り過ぎには気をつけたいものですが、血中のコレステロールの付着を防ぐ効果があるとされるガラクタンを積極摂取することで、コレステロールを下げる働きが期待できます。
【高血圧予防に】
さらに、ガラクタンには血圧を下げてくれる効果も期待できます。塩分の多い食事を日常的に採っていると血圧が高くなってしまいますが、血圧が高めの人、濃い味付けが好きな人ほど、血圧を下げる効果がある食材を積極的に摂りたいもの。何より、血圧を安定させることは健康を維持するためにとても大事なことですので、四季を問わず里芋を食べようにするとよいですね。
【肥満予防に】
ガラクタンのすぐれた効能のひとつに、大量に摂取しても脂肪にならないことが挙げられます。
通常、人体で分解されなかった糖分は脂肪に蓄積されますが、人の消化酵素の中にはガラクタンを分解できるものがないので、いくら食べても脂肪として蓄積されず、そのまま体外に排出されるのです。これは本当にうれしい効能ですね。
■里芋に含まれる「粘液糖タンパク質の混合物」による効果
里芋に含まれる「粘液糖タンパク質の混合物」の代表的な効能をご紹介すると……
【粘膜保護に】
食材から「粘液糖タンパク質の混合物」を摂ることで、タンパク質の消化・吸収を高める、胃腸の働きを活性させる、潰瘍の予防に役に立つ……と言われています。
【便秘予防に】
ネバネバ成分は、「粘液糖タンパク質の混合物」による食物繊維で便秘などの改善も期待ができます。
また、美容の観点からも、便秘が改善されることによっての美肌の効果が期待できるだけではなく、ダイエット効果も期待できます。胃腸の働きがよければ、それに応じてしっかりと便が出てくれるので、太りにくい体質になりますので、便秘がちの人ほど里芋を食べましょう!
【スタミナアップに】
「粘液糖タンパク質の混合物」にはタンパク質の吸収を高める効果があります。タンパク質は体にとって大切な要素ですが、その要素を効率的に吸収する働きを、ムチンはサポートしてくれるのです。
――様々なうれしい効能が期待できる里芋ですが、あまり食卓に出したことがないという方のために、明日は里芋を美味しく食べられるレシビをご紹介します。
これから年末に向かって、様々なイベントが開催されますね。ホームパーティ、気の合う友人が集う鍋パーティ、気のおけない友人が集う忘年会、送別会など、自宅に知人を招いて手料理をふるまう機会に、献立の一品に「里芋」を活用してみては?
親しい人の健康を気遣ってあげるのも、ホストとしての最上のおもてなしになるはず。明日のレシピを参考に「里芋」料理に、ぜひチャレンジしてみてください!
●2018年5月29日記事の一部を修正をしました。