●あの独特な臭(にお)い。美味しくするコツは?
買ってきたこんにゃくの袋を開けるたび、なぜか魚みたいな生臭さ・・・この匂いこそが、「こんにゃくって海産物でしょ」という誤解を生み出している気がします。
匂いのもとは、こんにゃく粉に含まれる「トリメチルアミン」。魚が腐敗したときの臭いの原因の一つで、悪臭防止法の規制対象にもなっている物質だそうです(苦手な人が多いのも納得)。しかもこんにゃくの袋に詰まっているのは真水ではなく、凝固剤を溶かした上澄み液。そのアルカリ臭と反応して、さらに刺激を増しているようです。
なま魚好きの日本人すら嫌がるのに、しらたきを食べている外国の人たちは平気なのでしょうか?
じつは、生のしらたきは海外では少々高価。それでも食べたい意識高めのセレブたちにとっては、そもそもこんにゃく臭などあまり気にならないのかもしれません。
そしてアメリカでは、さまざまなソースやガーリックなどの味付き製品が市販されているようです。
イタリアでは、乾燥させたしらたき『Zen Pasta(禅パスタ。日本の健康食のイメージ?)』が定番です。パスタとして食べやすいように臭みを減らした製品なのだとか。クセがないのでいろいろな味で楽しめると、モデルさんたちにもファンが多いそうです。
日本人がパスタをお醤油で和風味にして食べるように、イタリア人はしらたきをトマト味で食べているようですよ。
生しらたきを美味しく食べるために、 臭みを消す簡単な下処理をご紹介しましょう!
まず塩でもみ、熱湯でサッと茹でた後、油をひかずに「から煎り」して水分をとばします。すると、アクや臭みがとれて、ぷるぷるした細めのパスタ状に。
日本でも最近増えている「あくぬき不要」の製品なら、から炒りだけでOK。ぜひお試しください。
●しらたきパスタも、お刺身も♪
から煎りしたしらたきを市販のパスタソースであえる、逆輸入型?しらたきパスタ。簡単に作れて、ソースを変えれば毎日飽きずに食べられるのも嬉しいところ。たらこソースなど和風味なら、初めてでも抵抗なく挑戦できそうです。
江戸時代の頃から「こんにゃく料理」のレシピを豊富に携えている、私たち日本人。しらたきは他にも焼きそばの代用にしたり、野菜炒めに加えたり、こまかく刻んでご飯や挽肉料理に混ぜたりと、変幻自在です。
これからの季節は刺身こんにゃくなども美味しい季節。手頃な値段で豊富に入手できる特権をいかして、ヘルシーなこんにゃくメニューをたくさん楽しみたいですね。
<参考>
『こんにゃくができるまで』宮崎祥子(岩崎書店)
『コンニャクの絵本』内田秀司(農文協)