心身を癒すエディブルフラワーの元祖「食用菊」の効用とは?
秋の花といえば菊。庭園で高貴に咲き誇る大輪の菊も、道端でひっそりと咲く可憐な野菊も、見ているだけで清らかな気分にさせてくれますよね。
また、延命長寿の花として知られる菊は、古くから食用・薬用にも広く用いられ、最近はその効用が科学的にも明らかになってきました。
秋の夜長、食して心身ともに癒される「食用菊」にまつわるお話をお届けしましょう。
●「もってのほか」という愛称も。食用菊のプレミアム品種「延命楽」
食用菊は観賞用の菊と同じ【キク科・キク属】の仲間で、苦みや渋味を抑えつつ、食べる花の部分が大きくなるように品種改良されたものです。
食用菊といえば、刺身のツマなどに添えられる黄色い小菊がメジャーですが、それ以外にも多種多様な品種が全国各地で栽培されています。
なかでも、味・香り・食感ともに優れたプレミアムブランド品種として知られるのが、山形・新潟県で栽培される大輪種「延命楽(えんめいらく)」です。紫色の花を大輪に咲かせる延命楽は、毎年10~11月頃に出荷のピークを迎えます。
菊の芳香をほのかに感じる、繊細な甘さとほろ苦さは、まさに秋ならではの典雅な味わい。花びらが筒状に丸まっているため、茹でても形が崩れず、シャクシャクした心地よい歯応えが楽しめるのも魅力です。
山形県では「もってのほか」「もって菊」という愛称で呼ばれていますが、これには「菊の御紋(天皇家の御紋)を食べるのはもってのほか」「思いのほか美味しい」といったことに由来しているとか……。
また、新潟県では「カキノモト」「オモイノホカ」と呼ばれています。

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