タラの芽、フキノトウ、ウド、ワラビ…体を “春モード” に目覚めさせる 「山菜パワー」 !!

2015/03/20 11:00

春の山菜の時期ですね。春の山菜は独特の香りと苦みがありますが、この苦みこそが春の味わいです。苦いのはちょっと…という方もいらっしゃるかと思いますが、実は山菜のこの苦みには、冬の間に眠っていた体を「春モード」に目覚めさせる栄養が、たくさん含まれているのです。

山菜は春のごちそう。冬眠していた体を目覚めさせる栄養が豊富です !!
山菜は春のごちそう。冬眠していた体を目覚めさせる栄養が豊富です !!
「春の皿には苦みを盛れ」 !! 山菜は体を 「春モード」 に切り替える手助けをしてくれる 春の山菜といえば、フキノトウ、タラの芽、ウド、コゴミ、ワラビ、ギョウジャニンニク、フキなど、たくさん種類がありますね。どれも特徴的な苦みがあり、それがおいしさでもあるのですが、実はこの苦みには、ポリフェノールやフラボノイド、タンニンといった、抗酸化力の高い成分が、とても豊富に含まれているのです。また、胃腸の働きを促したり、血行を促進したりする成分や、ストレスの改善に効果が期待できる成分も含まれています。 冬の間は寒さに負けないように、なるべく体を動かさず、栄養を蓄えて冬を乗り切ろうとしますが、春になって体が目覚めてくると活動的になり、肝臓の働きが活性化されてきます。気温が上がるとともに新陳代謝がどんどん活発になってきて、これを助けてくれるのが、春の山菜に含まれている苦み成分なのです。 苦みの正体は 「アク」。でも、取りのぞきすぎないように 山菜の苦みの成分の正体は「アク」です。でも、この「アク」にはポリフェノールなど、抗酸化作用が高い成分が豊富に含まれているので、山菜を食べるときはアクを抜きすぎないように気をつけましょう。 ゼンマイやワラビなど、アクが強い山菜は、灰を振りかけてから熱湯を注いで一晩おき、水をかえてからゆで、さらに水につけてアクを抜きます。コツは、ゆですぎないことと、水にさらしすぎないこと。山菜に含まれる水溶性のビタミン類や、独特の苦み・香りが失われないようにすることです。 アクが弱い山菜は、さっと湯通しするか、塩を入れた湯でゆでて水にさらします。天ぷらや薬味にするときは、そのまま使います。 定番の天ぷら以外にも、パスタやパンケーキに入れてどんどん味わう 春の山菜というと、フキノトウやタラの芽の天ぷらが定番ですね。山菜は油との相性がいいので、天ぷらや炒め物にして食べるのが一般的です。 最近では定番メニュー以外にも、さまざまな食べ方が紹介されています。たとえば、タラの芽とベーコンをオリーブ油とにんにく・唐辛子で炒めたペペロンチーノ、フキノトウの炊き込みごはん、ウドの豚肉巻きなど。変わったところでは、市販のホットケーキミックスにギョウジャニンニクやコゴミを入れ、粉チーズを混ぜ込んで焼くパンケーキなどもあります(参考:「北海道新聞」みなみ風3月5日号)。 冬を乗り越えたパワーを蓄えている山菜、自然の恩恵を今こそ堪能 山菜は採るのは楽しいですが、ものによっては、採ったあとの泥洗いやアク抜きなど、食べるまでの下処理が大変ですね。でも、春の山菜は、厳しい冬を乗り越えた自然のパワーを蓄えていて、これは畑で栽培されたものとは大きく違います。この時期にしか食べることができない「春のごちそう」、冬から春の体にスムーズに切り替えるためにも、自然のごちそうを今の時期に堪能したいですね。 ※春の野山には野生動物がいるので、山菜採りには注意が必要です。特に北海道ではクマが出るところも多いので、くれぐれも気をつけてください。

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