沖縄の人々を撮影して10年になる写真家・鷲尾倫夫は「ぼくみたいな嫌なジジイはいないと思うんですよ」と、自らを毒づく。「どのへんがですか?」と、問うと、「はっきりとものを言うからね。沖縄では嫌われますよ」。路線バスに乗ってさまざまな場所を訪れた。「ここら辺には観光の人は来ないよ」と、おじいさんに言われつつ、その姿をカメラに収めた。「一杯飲め」と缶ビールを差し出され、足が止まったこともある。そうかと思えば、うさんくさそうな視線を向ける人もいた。それも沖縄の一面。シャッターを切った。

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