第45回 「@JAM」総合プロデューサー、橋元恵一さんインタビュー パート3「『ヲタJAM』から数えて5周年。アニソンとアイドルを分けたことで、今に至る「@JAM」の路線が決定しました」 |AERA dot. (アエラドット)
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第45回 「@JAM」総合プロデューサー、橋元恵一さんインタビュー パート3「『ヲタJAM』から数えて5周年。アニソンとアイドルを分けたことで、今に至る「@JAM」の路線が決定しました」

文・原田和典

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@JAM EXPO 2015、エンディングの集合写真

@JAM EXPO 2015、エンディングの集合写真

2010年に行なわれたヲタJAMより

2010年に行なわれたヲタJAMより

2010年に行なわれたヲタJAMより

2010年に行なわれたヲタJAMより

橋元恵一さん

橋元恵一さん

 8月29日、横浜アリーナで「JAM EXPO 2015」が大々的に開催された。今年の参加アイドルは、昨年度を大きく上回る総勢122組。あの広い横浜アリーナの様々なスペースを開放し、「歩き回っているだけでアイドルの姿が目に入ったり歌が聴こえてくる」という、アイドル・ファンの桃源郷を創出してくれた。そんな巨大スケールを持つイベントの総合プロデューサーを務める橋元恵一さんのインタビューも、ついに第3回。今回は@JAM以前のヒストリーについても、たっぷり語っていただいた。

――いまでは@JAMを知らないアイドル・ファンはいないと思います。これが始まったのはいつですか?

橋元 @JAM名義でイベントが始まったのは2011年11月なんですけど、2010年の11月に「ヲタJAM」というイベントを行ないまして、それも含めると今年で5周年ですね。2010年にデビューしたアイドル・グループも多いじゃないですか。そういう意味では同い年のイベントという感じですね。

――この仕事をなさる以前は、どんなことを?

橋元 大学を出てからはコンピューターのインストラクターみたいなことをやっていたんです。デザイナーさんにイラストレーターやフォトショップの使い方を教えたりとか。クラシックがまだラインナップされていて、Macintosh SE/30みたいな箱型があった頃です。カラーモニターを買おうとすると何百万もした時代ですね。それを3年ぐらいやって、いろんなところとつながりができてきて、ソニーミュージック内のクリエイティブ的役割の会社でもあるソニー・ミュージックコミュニケーションズに入社したんです。初めて担当したのはZARDや、WANDS、B'zでしたね。忙しかったですが、懐かしい思い出です(笑)。2000年あたりからは、「クリエイティブ・プロデュース」という役割の仕事を行なってきました。この業務は「今度こういうアーティストがデビューします」という際、「どういうデザイナーがこの作品にふさわしいか」とか、「こういうスタイリングにしたらいいんじゃないか」とか、「こういうヘアメイクをつけて、ミュージック・ビデオはこういうひとに撮ってもらおう」等をプランニングし、それを実際の形にするというもので、10年ほどやりました。その中でもケツメイシや絢香はデビュー前から関わらせていただき、「ヲタJAM」をやる寸前まで担当していました。

――「ヲタJAM」が、橋元さんにとって初めてのライブ運営だったんですか?

橋元 そうです。舞台監督の役割すら具体的にわからないまま、動き回ってましたね。

――「ヲタJAM」は、秋葉原の4会場で同時多発的に行なわれるイベントでした。5年前に、ももいろクローバー、私立恵比寿中学、でんぱ組.inc等を集めたのは、すごい先見の明だったと思います。

橋元 今思い起こしても問題点だらけだったと思いますよ……。
「ヲタJAM」はアニメやボーカロイドやアニソンやコスプレ等、日本のカルチャーを紹介していこうというきっかけで始まったイベントなんです。なので秋葉原のUDXを会場にしたり、隣のカフェを貸し切り状態でメイドカフェにしたりとか……雑に言っちゃうと、ヲタって言われる人達が関心のあるものをまとめただけの、なんだか分からないイベントになっちゃった。それをもう少し音楽的に追求していこうということで、2011年に@JAMと名前を変え、音楽に的を絞って新木場「STUDIO COAST」でイベントをしました。その時はアニソンに一番力を入れて、May'nや、LiSA、栗林みな実さんをステージにお呼びし、エビ中(私立恵比寿中学)やでんぱ(でんぱ組.inc)のようなアイドル・グループもいて、あとは「歌ってみた」の人達も集めてやったんですけど、「混ざり合わない」という反省を残しました。洗剤じゃないですけど、混ぜちゃいけないんだなと思いましたね。

 その翌年は休んで、@JAM2013からZepp DiverCityに場所を移して、一日をアイドルの日、もう一日をアニソンの日に決めて、その二日間を総称して@JAMと呼ぶという流れにしました。混ぜないことによってプログラムが明確になって、お客さんが増えたっていうのが、今の流れです。僕が一番大切にしなきゃいけないものっていうのが、実はこの「@JAM20XX」というイベントでして。だからこそそこは、毎回オールスター戦だと思っています。この前でいうと、スパガ(SUPER☆GiRLS)がトリをとったんですけど、その前にはJuice=Juiceや、アイドリング!!!やでんぱ組.inc他がいるといった、かなり贅沢な組み合わせとなりました。

――ほかにも、わくわくするようなイベントが目白押しです。

橋元 秋と冬に行なわれる「@JAM the Field」は、アイドルに特化しています。会場もいろんなところを試していて、例えば、六本木のブルーシアターでやったりとか、全指定席にしてみたりとか。こないだのShibuya O-EAST(2月1日)では、とにかく客席を沸かせるグループを集めました。「@JAM the Field」の場合は、まず会場のイメージを作って、そこに合うグループをブッキングしていきます。なので、ラインナップは、あくまでも会場に左右されているんですよ。ライブハウスのO-EASTで開催するときは、ライブハウスで叩き上げているひめキュン(フルーツ缶)をトリにしようとか、流れをいろいろ考えてますね。

――O-EAST公演は、いま思い出しても格別に熱かったです。とても2月とは思えませんでした。保坂朱乃さんのGALETTe最後のステージがあって、アップアップガールズ(仮)は《キラキラミライ》を対バンイベントで初披露しました。

橋元 アプガはデビューの頃、カヴァー曲をずっと歌っていたんです。2012年の春にオリジナル曲が出て(《Going my ↑》)、6月に「@JAM the Field vol.1」に来てもらいました。「vol.2」以降は、毎回@JAMに出るたびに新曲を披露するというルールで出演してくれていて、《UPPER ROCK》もそこから生まれた。アプガは最初の頃、ハロー!プロジェクトをクビになった7人組みたいな売り出しもあったかと思うんですが、ハローの血が脈々と流れているというのは、すごく魅力だったですし、ただかわいいだけじゃなくてかっこいい。可憐さをもった戦闘機というか、可愛らしさを兼ね揃えた戦う集団みたいなイメージがあって、アイドルとして異色な感じなんですが、今はむしろそこが売りとなってますね。[次回10/19(月)更新予定]

<次回の「DOUBLE COLOR session9」は10月22日、新宿BLAZEで開催。出演:Dorothy Little Happy、lyrical school
次回の「@JAM the Field vol.8」は11月22日、恵比寿LIQUIDROOMで開催。第一弾発表出演者は50音順に、アイドルネッサンス、アップアップガールズ(仮)、Cheeky Parade、DIANNA☆SWEET、ベイビーレイズJAPAN>

■@JAMホームページ:http://at-jam.jp/
■DOUBLE COLORホームページ:http://www.double-color.jp/


(更新 2015.9.16 )


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プロフィール

原田 和典(はらだ・かずのり)

 北海道出身。ジャズ誌編集長を経て、現在は音楽、映画、演芸など様々なエンタテインメントに関する話題を新聞、雑誌、CDライナーノーツ、ウェブ他に執筆。著書は『元祖コテコテ・デラックス』『世界最高のジャズ』他多数、共著に『アイドル・ソング・クロニクル2002-2012』等。ブログ「原田和典『ブログ人』」に近況を掲載。twitterアカウントは @KazzHarada

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