明治維新による新政府樹立後、多くの藩は財政難にあえいでいた。戊辰戦争により出費がかさんだうえに、新政府により藩歳入の使い道まで定められたためである。苦境に立たされ廃藩を申し出るところも多かったが、金策に走りどうにか乗り切ろうとした藩も存在した。その金策のひとつに、「偽金」がある。河合敦著『江戸500藩全解剖 関ヶ原の戦いから徳川幕府、そして廃藩置県まで』(朝日新書)では、偽金造りを行った二藩の行く末が記されている。同じく偽金造りを行ったにもかかわらず、それぞれの藩の未来は全く異なる結果となった。その理由とは――。
明治初期に横行した藩の「偽金づくり」 新政府にバレた大聖寺藩と福岡藩の命運はどうして分かれたのか?
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