教えてもらったのは、兵庫県たつの市でキャラごはん教室を開いているフードデザイナーの石野愛さん(31)。シングルマザーの石野さんは、小学5年の一人娘、苺さん(10)が1歳の時にお弁当を作り始めたという。購入した100均グッズを見せると、すぐに初心者向けのお弁当の作り方を紹介してくれた。

 それは、おにぎりに海苔を張り付けて、パンダの顔にするというお弁当。えっ、アニメ「妖怪ウォッチ」のジバニャンとかは無理なの? そんな疑問をぶつけてみると、「紙にキティちゃんを描いてみて、というと、たいていの人はただのになるでしょう? お弁当も同じ、いきなりキャラクターの顔は難しいので、パンダや豚から始めるのがおすすめです」との答え。確かにそうだ。

 石野さんは、「子どもが食べやすくておいしいお弁当が一番。可愛らしいおにぎりの周りを彩りのよいおかずで埋めれば大丈夫」と話す。

 早速、100円ショップで購入した「フリフリごはんボール」でおにぎりを作る。型にご飯を詰めて振るだけで小さなおにぎりができるという、便利なだけではなく、ちょっと楽しいグッズだ。出来上がった小さなおにぎりに、のりパンチで切ったパンダの目や鼻、口、耳を載せていく。目と鼻、口を一直線にそろえると、可愛く見えるそう。なるほど、型の絵はリアルに近いパンダだが、キャラクターっぽくなった。

 そしてもうひと工夫。ほおの部分にストローで丸く型抜きした魚肉ソーセージを載せ、短く切ったスバゲティをソーセージの真ん中に差して固定。おにぎりも同じ大きさのシリコンカップに入れて詰めれば、子どもが弁当箱を振り回して中身がぐちゃぐちゃ、といった事態も避けられるという。レタスを間に入れるのも良いそうだ。

 あとは、おにぎりの周りにおかずを入れていくのだが、ここで役立ったのはつまようじとマスキングテープ、そして抜き型だ。ようじにテープを巻いて葉っぱの形に切り、丸い揚げ物やプチトマトに刺すと、りんごに! にんじんを花の形に型抜きして、中心に丸くくり抜いた魚肉ソーセージを載せるとお花に! ほんのひと手間かけるだけで、お弁当がどんどん可愛くなっていく。

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