書評『京舞つれづれ』井上八千代著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

《話題の新刊 (週刊朝日)》

京舞つれづれ 井上八千代著

このエントリーをはてなブックマークに追加
西條博子書評#話題の新刊

京舞つれづれ

井上八千代著

978-4000611640
space
amazonspace

amazon.co.jp

space

 毎年4月に京都の祇園甲部歌舞練場で「都をどり」を披露する井上流。五世家元の八千代が祇園の四季をはじめ、家のことや祖母の四世のことなどを語った。

 父親が観世流の能楽師である片山家に生まれた。代々、男は能、女は京舞を継ぐ家だったが、母親が酒屋から嫁いで来たため、祖母から舞の手ほどきを受ける。年の近い十八代目中村勘三郎や十代目坂東三津五郎の存在が心の支えだった。観世銕之丞と結婚し、夫は東京、自身は京都を拠点に、盆と年末、お正月に時間をつくる。産後、「下手になった」と祖母から言われてショックだったことも。

 井上流の稽古では鏡を見ない。また、祖母の四世は舞のために忍耐を重ね、唯一、踊っているときが辛抱から解放されて自由だったように見えたなど、芸の厳しさもうかがえる。 

週刊朝日  2017年6月9日号


トップにもどる 書評記事一覧

続きを読む


関連記事関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい