「たくさんの美しい女性と交際したい」という願いだけを胸に、大金を稼いできた実業家の男性の手記だ。

 75歳の著者は和歌山県田辺市に生まれ、裸一貫から、避妊具を売って回る行商をきっかけに財をなした。2016年2月、50歳近く下の交際女性に6千万円相当を持ち逃げされたと、ワイドショーなどで騒ぎになった。本人を直撃すると、「事件は交際した4千人の女性の中の一人のこと。人生に必要なのはガッツ。それと女性の癒やしです」。傍らにはすでに別の20代の女性がいた。

 ネットで勝手に書かれるぐらいなら、本当の自分を知ってもらいたいと告白。高度成長の波に乗り、よく稼ぎ、よく遊んだ人生を振り返った。女性への願望が男性を「働きバチ」に変え、「死ぬまで現役」と言わせるまでになる様子が熱く語られる。

週刊朝日 2017年2月3日号

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら