【レンズレビュー】写真家8名が徹底解説「風景撮るならこの1本!」
特集「紅葉と秋の風景を撮る」(4)

F2のボケは雑草をアートに変える。詳細は本文で。撮影:中西敏貴■キヤノンEOS R・RF28-70ミリメートル F2 L USM・ISO100・絞り開放・2000分の1秒
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むちゃ振りとは思いつつ、国産カメラメーカー8社に「風景写真向きのいち推しレンズを紹介してほしい」と、お願いしたところ、真摯でアツい反応が返ってきた。「風景写真を愛好するユーザーに評判のよい製品です」。その新型もある。描写力と使い勝手をベテラン風景写真家が解説する。
■オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

●焦点距離:12~100ミリ(35ミリ判換算24~200ミリ相当) ●レンズ構成:11群17枚 ●最短撮影距離:0.15メートル ●フィルター径:72ミリ ●大きさ、重さ:Φ77.5×116.5ミリ、561グラム ●価格:税別標準17万5000円(税込実売14万9700円)

十二本ヤス(青森県五所川原市)■オリンパスOM-DE-M1 MarkII・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100ミリメートル F4.0 IS PRO・ISO400・絞りf4.5・AE・マイナス1.3補正
過酷な環境に強い防塵・防滴性能を備え、近接撮影はレンズ先端から1.5センチ(広角時。望遠時は27センチ)と、小さな世界から大自然まで対峙できるのは風景写真家にとっては大きなメリット。星やハイレゾ以外、ほとんどのシーンで手持ち撮影ですむため、三脚も小型・軽量化し、これまで以上に機動力が増した。年齢とともに衰えてくる体力の低下を考えれば「総重量の軽量化を図る」ことで心と体力に余裕が生まれ、新たな撮影イメージも浮かんでくる。「これ一本」と割り切ってしまえばレンズ交換も不要になり、シャッターチャンスにも強くなる。(清水哲朗)
■キヤノンRF28-70mm F2 L USM

●焦点距離:28~70ミリ ●レンズ構成:13群19枚 ●最短撮影距離:0.39メートル ●フィルター径:95ミリ ●大きさ、重さ:Φ103.8×139.8ミリ、1430グラム ●価格:オープン(税込実売40万4000円)

ニュージーランドの濃密な空■キヤノンEOS R・RF28-70ミリメートル F2 L USM・ISO200・絞りf4・1250分の1秒
全域F2で撮れるというのはスペック上の飛び道具ではなく、まさに開放から極めてシャープ。このレンズにおいて絞るという行為は、被写界深度を調整するという目的では必要だが、描写を向上させるというためであれば必要ない。安心してF2を全ズーム域で堪能できる。撮影スタイルにも変化が現れた。森の中を手持ちでさまよい、開放絞りで撮っていくということが増えたのだ。単焦点レンズを数本持っていくことを考えれば、この一本でほとんどのシーンをまかなえるわけで、その重量や大きさも気にならなくなったというわけだ。(中西敏貴)

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