「炭火焼肉ジュンチャン」の店内で取材に応じる石田純一(撮影/國府田英之)
「炭火焼肉ジュンチャン」の店内で取材に応じる石田純一(撮影/國府田英之)

 俳優の石田純一(69)が、千葉・船橋駅近くに焼き肉店を開業する。オーナーとして店を任せるのではなく、石田自身が店に立つ形だ。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で沖縄に行くなどし、世間から激しいバッシングを受けた石田。仕事が激減したなどとネガティブな報道ばかりが飛び交うが、当の本人はどんな思いで店を始めるのか。オープン直前の店を訪ねて、石田に話を聞いた。

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 船橋駅界隈は、酒場がひしめき合い、特に土日は老若男女の呑兵衛たちが昼から飲み歩く陽気な街だ。その駅北口から徒歩で3分ほどのマンション一階にあるテナントに、石田はいた。

「炭火焼肉ジュンチャン」。

 扉の上で輝くネオンは、石田の直筆をかたどったという。

 5月16日にオープン予定で、店内はテーブルが10席、合計で34人が座ることができる。

 12日の夜に店を訪ねると、スタッフたちとあわただしく準備をしている石田の姿があった。

 沖縄・那覇の中心部に冷麺の店を開くなど、石田が飲食店の経営にかかわるのは初めてではない。だが、都会育ちで食通で知られる彼が、大衆酒場と呑兵衛だらけの船橋駅を選択したのは意外な気もする。

「メニューにはとことんこだわります。でも、お客さんが気取らなくていいカジュアルな店にしたいんですよ。お客さん同士が仲良くなれるような、居心地の良い店にしたいと思っているんです」

 テーブル席に座った石田は、そう切り出した。

 オープン直前とあって疲れはたまっているだろうが、その表情は明るい。

 以前から焼き肉店を開く構想はあったが、船橋界隈にはゴルフなどを通じた旧知の仲間がいて、物件を紹介してくれたのがきっかけだったという。

 いわゆる「芸能人の店」は店舗運営を他人に任せることも多いが、石田自身が店に立って接客もする。

 営業時間は17~23時。

「遅い時間であれば、『ちょっと一杯飲もうかな』という、お酒目的のご来店も歓迎です。おひとりでいらした方が、他のお客さんと一緒に飲んだり……いつかそんな形にできたら、きっと楽しいですよね」

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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「なめていたら、すぐに廃業になってしまいます」