長岡は1年目が6試合、2年目が5試合出場にとどまったが、3年目の昨季は遊撃手の定位置をつかみ、139試合出場で打率.241、9本塁打、48打点をマーク。ゴールデングラブ賞を獲得し、リーグ連覇に大きく貢献した。打撃不振の時期もあったが、高津臣吾監督はスタメンから外さなかった。不動の4番・村上宗隆と共にヤクルトの将来を背負っていく選手と期待し、ミスをしても起用し続ける覚悟を決めたのだろう。昨季26年ぶりの日本一に輝いた中嶋聡監督も、紅林弘太郎を一本立ちさせようという気概が伝わってくる。2021、22年と2年連続リーグ最多失策を記録したが、肩の強さと広い守備範囲はスケールの大きさを感じさせる。打撃でも確実性に課題を残すが、試合に出続けなければ壁は乗り越えられない。
スポーツ紙デスクは、「レギュラーは競争の中でつかまなければいけないのが原則ですが、将来の軸になる選手は多少のミスに目をつむって起用し続けないと育たない。巨人は主力選手の高齢化が進む中、どのタイミングで若返りを図るか。才能豊かな若手は起用するタイミングを逃すと、伸びしろが失われてしまう」と指摘する。
春季キャンプのメンバーが振り分けられ、野手陣は秋広と増田陸、ドラフト2位の萩尾匡也、ドラフト4位の門脇誠が1軍スタートに。中山は2軍スタートとなった。1軍に生き残る道は険しいが、実戦で結果を残し続けるしかない。レギュラー争いで「下克上」が起こり、チーム内の競争が活性化されるか。(今川秀悟)