【3位】阪神

 4年間続いた矢野体制に終止符が打たれ、新たに岡田彰布が15年ぶりに指揮を執ることになった。投手陣では青柳晃洋、伊藤将司の2人が充実し、FA権を取得した西勇輝、岩崎優、岩貞祐太が揃って残留。湯浅京己、西純矢といった若手も台頭し、非常に強力だ。ただ、得点力不足は大きな課題で、5年連続で失策数12球団ワーストの守備もすぐに改善するとは思えない。

 大山悠輔、佐藤輝明の和製大砲が一段階上の働きを見せ、ノイジー、ミエセスの新外国人が爆発すれば「可能性」はあるが、果たしてどうなるか。前回の岡田タイガースは、5年間でAクラス4回(優勝1回)と申し分のない実績を誇ったが、その時も就任1年目は4位だった。チームスローガンを「A.R.E」に定めて腹を括ったが、岡田監督の「アレ」を選手が完全に理解するには“少し”時間を要するだろう。

【4位】巨人

 5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人。「発掘」と「育成」を掲げている中で、今オフも大幅な血の入れ替えを断行した。その状況を踏まえても、現在がチームの過渡期にあることは明らかだ。主砲・岡本和真は健在だが、長らくチームの顔だった菅野智之、坂本勇人が下降線。オフに獲得した長野久義と松田宣浩にも年齢的に多くは望めない。ドラフト1位の浅野翔吾、同2位の萩尾匡也は将来の主軸候補として非常に楽しみな存在だが、1年目から多くのものを求めるのは酷だ。

 投手陣も、戸郷翔征、高橋優貴、山崎伊織、赤星優志、堀田賢慎という面々を考えると、チームとして成熟するのは数年先だろう。ビーディ、メンデスの新外国人投手の働き次第でチームの勝利数も変わってくるだろうが、現有戦力を冷静に判断すると「Aクラス争い」が精一杯だろう。

【5位】中日

 立浪和義新監督の1年目を借金9の最下位で終えたドラゴンズ。その中でも大野雄大柳裕也小笠原慎之介の先発陣が奮闘し、特に本格化した高橋宏斗が非常に頼もしい。野手陣でも岡林勇希が大きく飛躍。岡林以外にも、鵜飼航丞、石垣雅海、石川昂弥と楽しみな若手野手が多く揃う。今オフには、涌井秀章、砂田毅樹の投手陣に、外国人野手としてカリステ、アルモンテ、さらにメジャー通算244試合で41本塁打のアキーノらを補強。その一方で今オフ、平田良介、京田陽太、阿部寿樹といった主力が退団した。

 この“激動のオフ”がチームをどう変えて、結果にどう反映されるか。先発投手陣はリーグ屈指。若手野手陣の働き次第で台風の目となる可能性はある。だが、予想するなら「健闘するもBクラス」が妥当。勢いを掴みたいが、チームとしての信頼度はまだまだ低い。

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