そして、

<聖書シリーズ 価格一覧表>

 を見ると、17点の定価が記されている。

商品の「価格一覧表」(「BIBLE series」から)
商品の「価格一覧表」(「BIBLE series」から)

 最も高いのは「宴の時」で715万円、次いで「心情の泉」で540万円、「心情の華」250万円、「麗華」240万円、などとなっている。

「心情の泉」の商品ページ(「BIBLE series」から)
「心情の泉」の商品ページ(「BIBLE series」から)

 全国霊感商法対策弁護士連絡会の加納雄二弁護士はこれまで、旧統一教会から高額でペンダントなどの宝飾品を売りつけられた被害者の代理人として裁判や交渉を進め、いくつもの「勝訴的な和解」を得ている。

 加納弁護士が和解に至った被害者の一人は、カタログにも出ている「宴の時」など6つの宝飾品を買わされ、約1480万円もの被害にあった。

 旧統一教会に内容証明郵便を送付したところ、

「寄付については教会で対応する。宝飾品については販売会社に連絡してほしい」

 と告げてきた。だが、販売会社を調べると旧統一教会のダミー会社で、信者が社長のA社だった。

 交渉の結果、宝飾品を返品し、1100万円を月々50万円、22回の分割で返金するという和解の内容でまとまったという。返金額は被害額の約75%だ。

 旧統一教会のダミー会社が販売している商品なので、一般的な宝飾品の市場からみれば、資産価値に欠けるものばかりだ。それも一度売りつけた商品を、被害額の75%ほどで引き取っても大丈夫なのか?

 元信者が説明する。

「マスコミでも報じられていますが、壺は原価が1つ数万円ほどで、100万円とか200万円で売りつける。多宝塔も原価30万円ほどとされるものを5000万円で買わせた例を私は知っています。宝飾品に鑑定書はついていますが、それも旧統一教会の関係先のものです。高額の『心情の泉』で、原価は20万円から30万円と聞いた。だから、クレームが来て75%返金で折り合っても儲かるのです。おまけに、裁判になるまでに和解すれば弁護士費用などもいらない。私も売りつけた被害者から、弁護士を通じて返金を求められ、幹部が和解をしたことがあります。その時も『返金が7割ほどだから、結局は儲かった』と言っていました」

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「十八番」である壺や石塔の原価は…