筒香嘉智(AP/アフロ)
筒香嘉智(AP/アフロ)

「パイレーツファン諸君、朗報だ!」

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 8月3日(現地時間:以下同)、ピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智がDFA(事実上の戦力外通告)になった。この報を聞いたパイレーツ専門メディア『バックス・ダグアウト』は、このように喜びを表現した。DFAを受けたのはトレード期間を終えた翌日。パイレーツのデレク・シェルトン監督は「適切なタイミングだったと思う」と、地元紙『ピッツバーグ・ポスト・ガゼット』にコメントしている。

 筒香は、今季50試合出場も29安打、19打点、打率.171と低迷。期待された長打はまったく出ず、ホームランはわずか2本だった。打撃や投球、守備などを総合して選手の貢献度を表す指標のfWARは-1.3。同指標を提供するファングラフス社の中でも、これは1355人中1353人目の数字。球団に所属する選手では最下位だ。大谷のfWARは5.8で総合2位なので、逆に筒香が今までMLBにいたことが奇跡だったとも言える。

 筒香は今年、パイレーツと400万ドル(約5億3970万円)の単年契約を結んでいた。昨年8月にロサンゼルス・ドジャース傘下から自由契約を経てパイレーツに加入した筒香は、マイナーで磨き直した打撃で、43試合出場で8本塁打、25打点、長打率.535と覚醒。その打力は高く評価され、ロックアウト前の11月29日にパイレーツと再契約。『CBSスポーツ』からは「ヨシを連れ戻したのは賢い考えだ」と称賛され、今季は開幕から4番打者となり、一塁手のレギュラーにも抜擢された。

 しかし、筒香は現地からの期待を全て裏切った。シーズンが始まると、筒香の打撃は試合を重ねるに低迷。シーズン序盤から全く打てず、スポーツメディア『DK・ピッツバーグ・スポーツ』(4月28日)からは「ひどいとしか言いようがない」と言われ、パイレーツ専門メディア『ラム・バンター』からは、「若手の出場機会を奪う障害だ」(5月30日)と痛烈な批判を浴びた。

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