「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。連載17回目の今回は、発達の特性がある子どもに中学受験をさせたいと考えている、小5のお母さんからの相談です。

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安浪:こういうご相談多いですよ。なくし物が多い、整理整頓ができない、というのは難関校でも多くいると聞きます。


矢萩:本当にそうです。程度の差はあれど、みんな凸凹はあるんですよ。例えば、忘れ物は多いけれど、特定の分野に関する記憶力はめちゃくちゃいい、という子も多いので。凸凹がありながらも、受験をやっていくかどうかは親の考え方次第、っていうところもあるかな。


■特性のある子が「入りやすい」学校とは


安浪:そうですね。難関校でも、そういった特性の子が比較的入りやすい学校とそうでない学校があります。入試問題を見てみるとわかると思うのですが、入りやすい学校というのは、詰め込み的な知識がなくても解ける問題だったりしますが、逆に四角四面の知識がないと解けない問題を出してくるところは難しいかもですね。

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安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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