ボクシング転向を表明している那須川天心
ボクシング転向を表明している那須川天心

 キックボクシング界の“神童”那須川天心のボクシング転向が話題となっている。一足先にキックからボクシングの世界に飛び込んだ元K-1王者・武居由樹とともに新たな舞台でも活躍が期待されている。

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 彼らはなぜボクシングに惹かれるのだろうか。そして那須川、武居ら元キックボクサーはボクシングの世界でも今後チャンピオンにまで登りつめることはできるのだろうか。元JBC(日本ボクシングコミッション)事務局長で現顧問の安河内剛氏が語ってくれた。今回は前編。【後編へ続く】那須川天心は「破格のファイトマネー」ゲットも?

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~武居のパンチ力、那須川のスピード

「武居のパンチ力はずば抜けていて相手をなぎ倒すような戦い方でKO勝利を続けています。那須川はパンチと自ら左右に動く両方にスピードがあります。これをボクシングに生かせるかどうかです。2人とも素晴らしいものを持っているので経験を積み適応すればチャンピオンも夢ではありません」

 安河内氏は94年にJBC職員となって以来、国際部長、事務局次長を経て06年に事務局長となった。ボクサーのセカンドキャリアや興行形態の見直しなど多くの分野で手腕を発揮。定年となった現在も顧問としてJBCに籍を置き、ボクシング界の発展に尽力している。キャリアの中で多くのボクサーを見てきたが2人には大きな可能性を感じている。

「ボクシングでの世界チャンプを最終ゴールに設定しているでしょうが、いきなりタイトル挑戦はできない。稀に五輪メダリストなどで相手がいない場合は8回戦からやる場合もあります。しかし通常は6回戦から積み上げて行かないといけない。ネームバリューや実績があってもダメです。武居も6回戦からでしたので那須川もおそらく同じ。そこから8回戦、10回戦、タイトル戦とステップアップしないといけません」

 武居は17年にはK-1 WORLD GPスーパーバンタム級の王座を獲得するなどキック界で圧倒的な存在感を放った。プロキックボクシングの戦績は25試合23勝(16KO)2敗。K-1で22連勝中というタイミングでのボクシング挑戦となった。転向後は21年3月11日のデビュー戦から3戦連続KO勝ちを収めるなど、順調なボクシングキャリアを歩んでいる。

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