この大会でゴンザガ大は、ザイオン・ウィリアムソン、R.J・バレットらを擁するデューク大を決勝で撃破したが、この試合で八村は20得点、7リバウンド、5アシストを記録。NBAドラフト1位指名が決定的だったウィリアムソンを蹴散らすプレーに、「Rui Hachimura」が米国Twitterのトレンド入りするなど、強烈なインパクトを残した。

 こうした活躍もありドラフト1巡目指名は確実、問題は順位とまで言われる存在に。その後、八村が2019年のドラフトでウィザーズから指名を受け全体9位でNBA入りし、第一歩を踏み出したことは、皆さんもご存知のところだろう。

 八村よりも前にNCAA入りを果たしていたのが渡邊だ。2013年3月に尽誠学園を卒業すると、コネチカット州のプレップスクールで1年プレーし、その後、ジョージ・ワシントン大学入りを決めた。

 ジョージ・ワシントン大では、初年度から先発を務めるなどチームの中心としてプレーし2年生からは先発に固定。4年生の時は1試合平均16.3得点、6.1リバウンドの数字を挙げると、大学が所属するアトランティック10カンファレンスの最優秀守備選手賞も獲得した。

 卒業後は、NBAのサマーリーグに参加し2018年7月にメンフィス・グリズリーズとツーウェイ契約を締結。グリズリーズではなかなか出場機会に恵まれなかったが、Gリーグのメンフィス・ハッスルでエース級の活躍を見せ、2020-21シーズン開幕前にトロント・ラプターズとエキシビット10契約を結んだ。すると積極果敢なディフェンスなどが徐々に評価されプレータイムが増えると2021年4月に正式契約。その後の現在進行形の活躍は、誇らしいものがある。

 現在、Bリーグの富山グラウジーズでプレーする松井啓十郎、滋賀レイクスターズ、アルバルク東京に在籍し昨季で引退した伊藤大司氏も、NCAAディビジョン1で実績を積んだプレーヤーで松井が実質の日本人初のNCAAプレーヤーで伊藤氏が2人目となる。

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NCAAディビジョン1“幻”の日本人選手第1号