ティアラを着用したロングドレス姿で成年の行事に臨む天皇、皇后両陛下の長女愛子さま
ティアラを着用したロングドレス姿で成年の行事に臨む天皇、皇后両陛下の長女愛子さま

 新年恒例宮中行事「歌会始の儀」が18日に行われ、昨年12月1日に20歳のお誕生日を迎えられた天皇皇后両陛下の長女、愛子さまが成年皇族となって初めての歌会始で御歌を披講される。愛子さまは初の公務として元日に皇居・宮殿で開かれた「新年祝賀の儀」に出席し“公務デビュー”は果たしているが、その御歌にも注目が集まる。

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 そんな愛子さまを20年育まれた雅子さまの御歌には、愛子さまとのひとコマを詠まれたものが多くある。

 美智子さまのご結婚以来、60年あまり皇室の取材を続けている皇室ジャーナリストの渡邊みどりさんは雅子さまの御歌について、こう話す。

「雅子さまは和歌も勉強してこられましたよね。お妃教育の中で、帰国子女の方が苦労されるのが和歌と書道と言われています。和歌は月次詠進歌(つきなみえいしんか)と言って、まず、毎月詠まなければならない。1年、12カ月で12首。公務で遠出される時に2首、両親陛下のお誕生日に2首、合計16首は詠まなければならない。16首、他人様に披露できるような和歌を詠むには100首くらい詠まないと、見せられるほどの和歌は詠めないと言われています」

 中でも、渡邊みどりさんが雅子さまらしさから印象に残っているのが、平成10 (1998)年の歌会始の雅子さまの御歌だそう。

【ルワンダへ 長くつらなる 土の道 あゆむ人らに 幸多くあれ】

 「雅子さまが嫁いで3年目、アフリカのルワンダへ訪問されたことを詠まれています。1994年にルワンダでは大量虐殺があった背景などから、さすが外交官出身で立派な歌だと当時思いました。これだけの御歌を詠まれましたが、お友達が雅子さまに電話すると“5・7・5・7・7で指折り数えて、大変”とおっしゃられるほど、和歌を一生懸命勉強されていたと聞きます」(渡邊みどりさん)

 2002年1月15日行われた歌会始では、雅子さまは、愛子さまのお姿を御歌で披露している。その年のお題は「春」。

【生(あ)れいでし みどり児のいのち かがやきて 君と迎ふる 春すがすがし】

 2001年12月1日に生まれた愛子さまと迎える新春の喜びが伝わってくるものだった。

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乳母車の愛子さまは成長され「吾子の重たさ」へ