二階俊博元幹事長と長男の俊樹氏(撮影・今西憲之)
二階俊博元幹事長と長男の俊樹氏(撮影・今西憲之)

「もう次の選挙戦に入っているようなムード。地元は政局だ」

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 こう話すのは、自民党の元幹事長、二階俊博氏の地元和歌山3区の町議だ。10月31日に行われた衆院選の投開票では午後8時に「当確」が報じられた二階氏。

 選挙戦の直前まで「引退するのでは」とうわさが流れるなど地元は揺れていた。それを吹っ飛ばすような圧勝劇だった。

 だが、二階氏の13回目の当選直後から地元では「誰が後継者となるのか」という話題で持ち切りだという。

 二階氏が次の衆院選にも出馬するのか、それとも二階氏の後継者が立候補するのか。もしくは参院和歌山県選挙区の選出で自民党の参院幹事長という「大物」、世耕弘成氏が和歌山3区に鞍替えするのか…。話題が持ちきりだ。

 二階氏は当選が決まった後、支援者にこう頭を下げた。

「大変お世話になりました。温かい心のこもるご支援で当選をさせていただきました。ひとえに故郷の皆様のおかげです」

 自民党の幹事長を5年以上務め、歴代最長記録を打ち立てた二階氏だが、岸田政権となり幹事長を交代。この衆院選では大半を地元の和歌山3区で活動した。

「二階先生がこんなに長く、地元に張り付くなんで10年以上なかったこと」

 二階氏の支援者は言う。今までほとんど訪れることがなかった小さな集落にまで足を伸ばした。その際、二階氏に付き添っていたのが、三男の二階伸康氏だ。地元では後継者と目されているという。

「今回は伸康氏が二階先生の活動のほとんどに付き添っていた。そして、二階先生に代わってマイクを握り、演説していましたね。これまでの選挙ではあまり見かけなかった。そつなく、二階氏の応援演説をこなしていた。その姿を見て、跡継ぎは伸康氏と二階先生の腹は決まっているんじゃないかと感じました」(前出の町議)

 伸康氏は数年前に大手航空会社を退職し、二階氏の秘書に専念し、スケジュール管理などをしていた。

「昨年あたりから伸康氏が二階氏の名代という感じで動くようになった。中国総領事と面談したり、コロナ禍で和歌山県にマスクを贈呈し、知事と一緒に写真を撮るなど、後継者としての道を着々と歩みつつある。二階派でも『伸康氏に譲るのかな』という声が多々あります」(二階派の国会議員)

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二階氏の名代となった三男