一方の根尾も今年はプロ初ホームランを放つなど過去2年と比べて大幅に一軍での出場機会を増やしているが、打率は2割を大きく下回っておりまだまだレギュラー獲得は見えてこない状況だ。外野の守備では度々目を見張るようなプレーを見せているだけに、一にも二にも打撃の確実性向上が課題と言える。

 この3人以外の野手で成長著しいのが林晃汰(智弁和歌山→広島)と野村佑希(花咲徳栄→日本ハム)の大型サード2人だ。林は二軍で1年目は7本塁打、2年目は9本塁打と順調に成績を伸ばすと、今年は小園とともに6月以降はサードのレギュラーに定着。後半戦に入って少し調子を落としてはいるものの、ここまで59試合の出場で6本塁打と持ち味である長打力を一軍でも発揮している。特にストレート系の速いボールに対する強さは目を見張るものがあり、左方向へも強い打球を放つことができるのは大きな魅力だ。

 一方の野村は昨年不運な怪我はあったものの一軍で3本塁打をマーク。今年も4月に膝を痛めて約2カ月離脱したが、夏場以降は調子を上げてチームに欠かせない存在となっている。柔らかさのあるスイングで、高い弾道で遠くへ飛ばす打撃が持ち味。中田翔が移籍したことも野村にとっては追い風と言えそうだ。

 その他の野手では太田椋(天理→オリックス)、小幡竜平(延岡学園→阪神)、羽月隆太郎(神村学園→広島)、山口航輝(明桜→ロッテ)、万波中正(横浜→日本ハム)なども一軍で徐々に経験を積んでおり、近い将来のレギュラー候補として期待できそうだ。

 一方の投手で唯一1位指名だった吉田は1年目に初勝利をマークしたもののその後は二軍暮らしが続いている。指にかかった時のストレートは目を見張るものがあるが、コントロール、変化球ともにまだ一軍で長いイニングを投げるには物足りないというのが現状だ。ストレートという武器を生かすために、リリーフで勝負するというのも一つの方法ではないだろうか。

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投手で活躍の選手は少ない?