高輪警察署に入る花森弘卓容疑者(C)朝日新聞社
 高輪警察署に入る花森弘卓容疑者(C)朝日新聞社

 東京・白金からおよそ1500キロ離れた沖縄県中城村。公民館近くの公園のベンチに腰かけていた男に捜査員が近付き声をかけた。

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「花森だな?」

「いえ、スナガワです」

 警視庁は東京メトロ・白金高輪駅で22歳男性に硫酸をかけた傷害の疑いで公開手配していた静岡県静岡市葵区二番町の静岡大学農学部に通う大学生、花森弘卓容疑者(25)を8月28日朝に沖縄県内で逮捕した。事件発生から4日でのスピード逮捕となった。捜査員に問いかけられた花森容疑者は当初は偽名で答えたが、問い詰めると「花森です」と認めたという。

 28日夜に那覇警察署から警視庁高輪警察署に移送された花森容疑者。報道陣の問いかけに応えることはなく、複数の捜査員に囲まれて署内に入っていった。

 捜査関係者によると、調べに対して花森容疑者は当初は「今は話したくない」などと答えていたが、最近になって「名字をため口で呼ばれて腹が立っていた」と供述しているという。

「花森は被害者と琉球大学の映画サークルで一緒だった。そのとき呼び捨てにされた、生意気だと動機を語り、許せないと言っている。被害者の自宅を知ろうと、琉球大学の映画サークルの部室までいって名簿などを探したそうだ。ただ、花森は、映画サークルに入ったのは2年生の頃でその後、琉球大学を中退している。被害者は花森のことをよく知らずに喋っていたようだ。7月下旬、花森は被害者の勤務先をつきとめ、地下鉄などに一緒に乗り込み、つきまとった。事件現場の白金高輪駅近くの公園で『なぜ。ため口で話したのか』『俺のことをバカにしていたのか』などと詰め寄ったそうだ。自宅を割りだそうとして、つきまとったようだ」(捜査関係者)

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大学時代の花森容疑者とは