そして事件現場付近で男性との距離を縮めて犯行に及んだようだ。

「捜査本部では硫酸を入手していることなどあらかじめ計画的犯行とみて交友関係を中心に捜査していた。科学の知識があったことから硫酸入手も容易だっただろうし、容疑者が一方的に恨みを募らせて犯行に及んだ可能性が高い」(前出・同)

 捜査関係者によると静岡から沖縄まで鉄道と空路を組み合わせて利用した可能性が高いという。

「静岡までの足取りは追跡できていたが、解析に時間を要しているうちに見失った。広範囲に映像を収集する必要に迫られ沖縄までの逃走割り出しに時間がかかった」(警察庁関係者)

 両親を病気で亡くしていて静岡市の自宅に一人暮らしだったという花森容疑者。静岡市内の一戸建ての自宅に友人らが訪ねてくることもあったというが、最近では人の出入りもほとんどなかったという。

 硫酸をかけられるなどの被害にあった22歳の男性は病院に搬送される際、「目が痛い」と訴え、失明には至らなかったものの全治6か月の重傷を負った。また被害男性のそばにいた女性は、地面にこぼれた硫酸を踏んで転倒し、右膝に火傷を負った。

 被害者と花森容疑者に一体どのようなトラブルがあったのか。そして花森容疑者はどんな動機をこれから語るのだろうか。

(野田太郎)