各国選手が集まる東京五輪の選手村(C)朝日新聞社
各国選手が集まる東京五輪の選手村(C)朝日新聞社

韓国では旭日旗強制撤去論も(C)朝日新聞社
韓国では旭日旗強制撤去論も(C)朝日新聞社

 韓国選手団が東京五輪の選手村に新たに掲げた「垂れ幕」が物議を醸している。韓国メディア・朝鮮日報日本語版(7月19日配信)によると、垂れ幕には虎の形をした朝鮮半島の絵が描かれ、ハングルで「虎が降りてくる」の文字が…。

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 韓国メディアのWoW!Korea(同19日配信)は、「絵の東側には『竹島(韓国名:独島)』とも見える形が描かれており、朝鮮出兵時に秀吉が加藤清正に命じた『虎狩り』を根に持っていることが表現されているとの見方がある。韓国の一部では『日本が朝鮮虎を絶滅させた』と言う人も多いことから、それと関係があるとの指摘もされている」と論じている。

 韓国選手団はこの「虎の垂れ幕」以前にも、「臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っています」とハングルで記された垂れ幕を掲げていた。豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に海戦で対峙し、「抗日の英雄」として知られる李舜臣将軍の言葉を連想させるメッセージとして、日本側から反発の声が殺到。国際オリンピック委員会(IOC)が「政治的な宣伝を禁じる五輪憲章第50条に違反する」と撤去を要請し、垂れ幕は撤去された。だが、新たな垂れ幕がすぐに掲げられた。韓国選手団の意図は何だろうか。

 「以前の垂れ幕を撤去しましたが、韓国側はIOCの裁定に納得していないと思います。東京五輪・パラリンピックのホームページで竹島の表記に納得がいかず、強く批判したがIOCは問題ないという認識を示した。旭日旗に関しても戦犯旗として持ち込み禁止を求めているが、IOCは問題視していない。自分たちの主張が受け入れられないことに大きな不満を感じているのでしょう。今回の垂れ幕も日本やIOCの反応を探っているように感じます」(一般紙国際部の記者)

 旭日旗に関して、韓国外務省は韓国の外務省は、「日本の帝国主義と軍国主義の象徴」と糾弾しているが、中国や他の東南アジアの国からは抗議の声は上がっていない。

 日本で数百年前から国を象徴する伝統的な意匠として宣伝や製品にも使われていたことから、「政治的主張にならない」と主張。競技場への持ち込みに関して問題がないことを主張している。

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