スポーツ紙のテニス担当記者はある懸念を口にする。

「ウィリアムズだけでなく、多くの有力選手が出場辞退になると、大坂なおみが『金メダルをとって当然だろう』という雰囲気が作られて精神的に大きな重圧がかかる。どんな大会でも金メダルを獲得するのは難しい。彼女がナーバスにならなければ良いですが…。もう一度楽しそうにプレーしている姿を見たいですね」

 大坂なおみのように出場したい選手の意思は尊重されるべきだろう。一方で、東京五輪を出場辞退する選手の気持ちも理解できる。家族と離れ離れで過ごしたくない、コロナ禍で安心、安全の大会を開催できるのか。疑念を抱くのは自然な感情だろう。(牧忠則)