「もともとは、妹の萌歌さんのほうが先に続々とドラマ出演を果たして話題になりました。18年に『義母と娘のブルース』(TBS系)やNHK大河ドラマ『いだてん』などで大胆な演技を披露するなど、コンスタントに人気をつみあげていった。一方、萌音さんは2014年に映画『舞妓はレディ』で初主演をしましたが、作品的にもさほどヒットせず、2016年にはアニメ映画『君の名は。』で女性主人公の声優を担当したものの、顔がわかる女優としての印象は残せていなかった。新型コロナウイルスが拡大する中で『恋つづ』がヒットとなり、今年からの躍進に弾みが付いたのだと思います」(同)

■”逆転”した姉・萌音は勝負の年に

 もともと事務所内での序列も、「萌歌さんは『第7回東宝シンデレラ』オーディションでグランプリですが、萌音さんは同年の審査員特別賞だったので、当初は妹のほうが上だった」(芸能事務所関係者)と言うが、本人たちの仕事上の関係性はさておき、今年に入ってすっかり、世間からの立場が逆転した感のある上白石姉妹。だが、芸能事務所の関係者からはこんな声も。

「たしかに今年は萌音さんの出演が続いていますが、『恋つづ』自体は佐藤健さんの功績、とみる向きが多く、ブレーク以降もさまざまなドラマに出演しましたが、どれに出ていたか覚えている人は実は少ない。今年は躍進の年とも言えますが、さて、実力がどんなものか、試されている年でもあります。事務所的にも勝負の年と踏んで大プッシュ中なので、メディアに出演しまくっていますが、あれだけ過酷な出演スケジュールだと、ちょっと本人の体調も心配になります」(前出のプロデューサー)

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、そんな姉妹の関係性と今後についてこう分析する。

「確かに東宝シンデレラオーディションのグランプリに選ばれたのは妹の萌歌ですが、姉の萌音もここ数年の飛躍は目覚ましく、もはやどちらが秀でている、劣っているなどと比べるのはナンセンスでしょう。同世代のたくさんの俳優がひしめき合う中で、しっかりインパクトと結果を残しているのですから、そのポテンシャルは2人とも高いことは間違いありません。萌歌は昨年末に公開された『劇場版ポケットモンスター ココ』で、物語の中で重要なキャラクター・ココの声を担当しましたし、萌音は現在放送中のドラマ『オー! マイ・ボス!~』でも『恋つづ』に続き、思わず応援したくなる誠実でまっすぐなキャラクターを見事に演じています。そうやってお互いを高め合いながらこのまま成長していき、揺るぎないポジションを築き上げたところでぜひとも姉妹共演を見てみたいですね」

 いずれにしても、新しい女優像を生み出す姉妹、2人で切磋琢磨してもらい、今後の活躍に期待したいところだ。(大沢野八千代)