“1日1人”子どもが虐待死の可能性 「虐待予備軍」にならないための覚悟 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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“1日1人”子どもが虐待死の可能性 「虐待予備軍」にならないための覚悟

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※写真はイメージです(写真/Getty Images)

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子育てアドバイザーの高祖常子さん(提供)

子育てアドバイザーの高祖常子さん(提供)

 育児をしていると誰しも、子どもにイラっとしてしまうことは少なからずあるもの。痛ましい虐待報道を見て、「私も衝動的に手をあげてしまったら!?」「この気持ちがエスカレートして、将来虐待につながったら…」と不安を感じる親は少なくないだろう。NPO法人児童虐待防止全国ネットワークの理事で子育てアドバイザーの高祖常子さんに、小学2年生と6歳の2児の母であるママライターが育児の不安や疑問をぶつけてみた。

*  *  *
――親から子への虐待が増えているように感じますが、実際に増えているのでしょうか。

厚生労働省の調査によると、ここ数年は毎年50~80人前後が虐待により命を落としているというデータがあります。でもそれは氷山の一角です。日本小児科学会が2016年に発表した推計では、虐待で死亡した可能性のある15歳未満の子供は年間350人、つまり1日に1人という数字が出ています。死に至らないケースや、報道されないような虐待がどれほどあるのかは把握しきれません。ただ、「虐待をなくそう」とする動き、周囲からの通告件数は確実に増えています。

――2020年12月には、川崎市の35歳の母親が生後15日の息子の口をふさぎ殺害した疑いで逮捕されました。私自身、赤ちゃんが泣きやまずに苦労した時期を思い出すと胸が痛みます。カッとなって突発的に……ひとつボタンを掛け違えていたら、もしかして自分も……と思うと、他人事とは思えません。

児童相談所などの現場からは、「孤立した子育て」という問題が浮かび上がっています。虐待に至ってしまう親は、周囲とつながっていない人が多い。今の時代、都心では隣に誰が住んでいるのかもわからないほど、周囲とのつながりが希薄になっています。昔のようにご近所や友達同士で子どもを預かり合うことや、地域のイベントなどを煩わしく感じる方もいるでしょう。でも、日常的にあいさつを交わすだけでも違うものです。顔見知りが増えて、「赤ちゃん、泣いて大変な時期だよね」など、ちょっとした声かけに支えられ、それが子育てのセーフティーネットにもなるのです。

――コロナの影響で、2020年はそうしたやりとりが難しくなりました。

「コロナのせいで虐待が増えた」というはっきりしたデータは示されていないようですが、「消毒に気を付けなくては」「ここに出かけていいのかな?」など気を遣い、親のさまざまなストレスが増えたことは事実です。それがひとつひとつ積み重なり、複雑に絡まり合って子どもに向かってしまう。そんな要因が増えていることは間違いないでしょう。


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