放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん

 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、コロナ第3波を受けて、飲食店が直面している事態について。鈴木さんも居酒屋をやっているので、他人事ではないのです。

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 僕が以前、よく行っていた、80年代から続いている渋谷区のレストランが年内で閉店すると聞きました。この近くのお店も、いくつか年内で閉まるそうです。特にウエディングをやっていたレストランはかなりしんどいでしょう。

 そんな中、東京都の小池都知事は11月28日からお酒を提供する飲食店などに営業時間の短縮を要請しました。12月17日までの20日間。協力したお店には、1事業者、一律40万円が支給される。

 僕も中目黒で居酒屋をやっています。僕はオーナーで、元力士の鈴木君(僕と同じ名字)が店長で、社員は彼だけ。あとはバイトの方でやってます。カウンター8席ほど、テーブル席が10人ほどの小さな居酒屋ですが、鈴木君の頑張りで、開店してから3年近く、常連さんもついて、いい感じで営業をしておりました。

 が、そんな中でのコロナショック。緊急事態宣言中は、急遽途中からランチやお弁当を始めたりして、知り合いの方が気を遣って買いに来てくれたりして乗り切っておりました。

 夏になり、徐々に客足は戻ってきましたが、以前のようにはなりません。そして今回の短縮要請。

 今回の要請を受けて、それをやるかどうか考えた方、多いと思います。正直、短縮しない方が多いんじゃないかと思っていました。が、始まってみるとそうではなかった。現実問題、夜の中目黒、人があんまり歩いてない。会社から外食などを禁止されている会社もあったりして。うちの店もさすがに常連さんの足も途絶え、気温とともに店内のテンションも下がってきた模様。

 11月の売り上げは、昨年の売り上げの約半分です。かなり赤字になってきています。12月、このままフルで営業するより、形態を変えて、協力金をもらうことで赤字を減らすことにしました。ただ耐えるしかない。

 昨日、店に顔出したら、鈴木君、顔面麻痺になっていました。明らかに、ストレスとコロナによる不安です。マスクをしているからごまかせていますが、なかなかの顔面麻痺になっていました。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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