石岡瑛子は現代によみがえった“アマビエ”か? 伝説のデザイナーの展示に元気をもらう (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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石岡瑛子は現代によみがえった“アマビエ”か? 伝説のデザイナーの展示に元気をもらう

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東京都現代美術館で始まった「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」

東京都現代美術館で始まった「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」

「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」より映画『ドラキュラ』衣装の展示風景。(東京都現代美術館、2020年 Photo: Kenji Morita)トークイベント「石岡瑛子を語りつくす」(アーカイブ映像公開)『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』の著者・河尻亨一氏と展示担当学芸員の藪前知子氏(東京都現代美術館)によるトークのアーカイブ映像が以下で公開されますhttps://www.youtube.com/watch?v=J8bQ8ZgWP9o&feature=youtu.be

「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」より映画『ドラキュラ』衣装の展示風景。(東京都現代美術館、2020年 Photo: Kenji Morita)
トークイベント「石岡瑛子を語りつくす」(アーカイブ映像公開)
『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』の著者・河尻亨一氏と展示担当学芸員の藪前知子氏(東京都現代美術館)によるトークのアーカイブ映像が以下で公開されます
https://www.youtube.com/watch?v=J8bQ8ZgWP9o&feature=youtu.be

ギンザ・グラフィック・ギャラリー「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」告知フライヤー※ 予約不要(無料)ですが、混雑時には入場制限がございます。入口の消毒液で手指を消毒の上、館内ではマスクを着用いただき、会話はできるだけお控えください(2020年11月19日現在の情報)

ギンザ・グラフィック・ギャラリー「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」告知フライヤー
※ 予約不要(無料)ですが、混雑時には入場制限がございます。入口の消毒液で手指を消毒の上、館内ではマスクを着用いただき、会話はできるだけお控えください(2020年11月19日現在の情報)

 この冬、注目したい展覧会がある。それは2012年に他界したデザイナー・石岡瑛子にフォーカスしたふたつの企画展だ。

 ひとつは「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」。東京都現代美術館で現在開催されている(2021年2月14日まで)。

 一方、銀座の老舗デザインミュージアムとして知られるギンザ・グラフィック・ギャラリーでは、「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」がまもなくオープンする予定だ(12月4日より前後期で開催。2021年3月19日まで)。

 没後9年になる伝説のデザイナーを、奇しくもほぼ同じタイミングで、ふたつの美術館が取り上げるのはなぜか? 

 取材・執筆に5年。このたび石岡の評伝『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』を上梓したジャーナリストが、展示の見どころを紹介しながら「なぜ、いま、石岡瑛子なのか?」を読み解く。

*  *  *
■没後9年、活力を失った日本に伝説のデザイナーが降臨

「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展がアツい。会場に一歩足を踏み入れて驚かされるのは、圧倒的なパワーである。展示空間にエネルギーが満ち満ちている。

 まだオープンして間もないが、関係者によると、石岡瑛子の名を聞いたことがないはずの若い世代の姿も目立つようだ。コロナ禍による外出控えの影響もあるのだろうか。

 石岡がディレクションした資生堂やパルコの広告に夢中になった世代の来場が多くなるのでは? と私は考えていた。それだけに、この反響は予想外である。

 彼女が晩年、ターセム・シン監督と組んで手がけたインディペンデント映画「落下の王国」(2008年日本公開)や遺作となった映画「白雪姫と鏡の女王」(2012年)で、石岡瑛子ファンになった人も多いそうだ。

 ソーシャル・メディアを覗いてみると、「すごい熱量」「衝撃」「すさまじいパワー」「意志の強さを感じる」「圧倒的な美力」「本当に凄いな」といった来場者の感想が並んでいる。

 ちょっとした“石岡瑛子祭り”の状態である。この5年にわたって石岡瑛子の評伝を執筆してきた私のような者から見ても、的を射たコメントが多く興味深い。

「スケッチからも感じられる禍々しさと迫力がすごい」「見ている人をポジティブにする力がある」「もはやパワースポットと化している」という投稿も目にした。

 まさにその通りだと思う。石岡瑛子と彼女の仕事は、生命エネルギーを失った現代社会への喝であり、重苦しく淀んだ時代を活性化させる強烈な光を放っている。


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