来季は監督も兼任する楽天・石井一久GM (c)朝日新聞社
来季は監督も兼任する楽天・石井一久GM (c)朝日新聞社

 楽天・石井一久GM兼監督が誕生した。

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 GMとして積極的に大型補強、監督交代を敢行したが、結果が出なかった。一部には「ケジメ」という声も出ているが、見据えているのはもっと先。将来的な『名のある監督』の招聘、そして球団の『ビッグクラブ化』という大きな野望だ。

「東北の皆さまに愛されながら、強いチームにすることが僕の使命。この仕事は非難いっぱい、称賛少しという仕事。何を言われようがブレずにまい進したい」(石井)

 石井は日本ではヤクルト西武、メジャーではドジャースなどで投げ、日米通算182勝を挙げた大型左腕だった。現役引退後は吉本興業の契約社員として従事。その傍ら、野球解説などを行っていたが18年9月1日付で楽天GMに就任した。

 浅村栄斗(西武)、涌井秀章、鈴木大地(ロッテ)、ステフェン・ロメロ(オリックス)ら各球団主力級を続々獲得。また19年に平石洋介(現ソフトバンク1軍打撃兼野手総合コーチ)、20年に三木肇(来季楽天2軍監督)と2年連続で指揮官をすげ替えるなど、活発な編成は賛否両論を巻き起こしている。そこへ来て自身の兼任監督就任ということで、球界は大騒ぎとなった。

「一久が監督やって? なんぼなんでも、それはあかんで。一久は自分の力を過信しとるんちゃうか。昔のあいつを知ってるわしらからすれば、みんなそう言うと思うよ。ノムさんも天国で笑っとるやろう。これで仙台が盛り上がる? それはないやろ。おそらくは最下位争いや。一久にやらせるぐらいやったら、まだ三木のままで良かった」(元ヤクルトコーチ・伊勢孝夫/東スポWeb11月12日付)

「もしかしたらって思ってたけどもしかした…。選手達やコーチ陣、現場の混乱は計り知れないと思う…監督という仕事は見るとやるとは大違い…選手達の不安を早く取り除き来年に向かって進んで欲しい!」(元楽天監督・デーブ大久保/本人ツイッター11月12日付)

 球界関係者は「監督就任は判断ミス」と語る人間も多い。しかし現役時代から物事を周到に考え、想像がつかないことをやってきた男だったのも確かだ。

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現役時代から垣間見せていた“違い”