高校生の野手で高い評価を受ける花咲徳栄・井上朋也 (c)朝日新聞社
高校生の野手で高い評価を受ける花咲徳栄・井上朋也 (c)朝日新聞社

 いよいよ今月26日に迫ったプロ野球ドラフト会議。12日には高校生と大学生のプロ志望届提出も締め切られ、あとは当日の指名を待つだけとなった。ここからは各球団の情報戦も活発になってくることが予想されるが、現在の戦力や選手の年齢構成から各球団へのおすすめ指名選手を紹介したいと思う。今回は現在(10月14日終了時点)セ・リーグBクラスのヤクルト、広島、DeNAの3球団だ。

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【ヤクルト】投手の補強が最優先。野手では捕手の指名は必須

 高津臣吾新監督を迎え、開幕当初は好調だったもののじりじりと負けが込んで最下位に沈むヤクルト。昨年までと同様に投手陣の弱さが最大の課題となっている。昨年のドラフトでは目玉の一人だった奥川恭伸を引き当て、上位4人は全員投手という指名をしたが、先発、リリーフともにまだまだ手薄な状態は続いている。今年もまずは投手の補強と考えるのが妥当だろう。

 一番人気になりそうなのは早川隆久(早稲田大)だが、即戦力度という意味では栗林良吏(トヨタ自動車)を推したい。レベルの高い社会人の中でもその実力は頭一つ抜けた存在であり、ドラフト指名解禁の今年も圧巻のピッチングを見せている。かなりの高い確率で一年目からローテーション入りが期待できるだけに、単独指名で狙えるならぜひ指名したいところだ。

 2位も投手をと言いたいところだが、次に優先したいのは捕手だ。本来は正捕手の中村悠平が故障により離脱が増え、控えの層も若手も手薄な状況。レギュラー候補となる選手を狙いたい。そこでおすすめしたいのが古川裕大(上武大)だ。大型で攻守ともにスケールがあり、総合力は大学球界ナンバーワン。早い段階から一軍の戦力として期待できるだろう。

 投手でもう一人推したいのが小木田敦也(TDK)だ。指名が解禁となる昨年は調子を落としてチーム残留となったが、今年の都市対抗予選では抜群の安定感でチームを本大会出場に導いている。コンスタントに150キロに迫るストレートは数字に見合う力があり、制球力も高い。3位で残っていればぜひ狙いたい投手だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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