■就活の新しい潮流とは

 現在の就活は、経団連主導でつくられた「就活ルール」に則った「一括採用」が一般的だ。3月から合同企業説明会や個別説明会が一斉にスタートし、6月から選考活動が解禁される。

 しかし、近年は他社と選考スケジュールをずらした「通年採用」を行う企業も増加。学生の専門能力を判断材料にする「ジョブ型採用」、企業側から学生にアプローチする「スカウト型採用」、社員が知人・友人といったつながりのある学生を紹介する「リファラル採用」など、採用の手法も多様化している。

 さらに、今年は「オンライン就活元年」ともいわれ、オンラインでの説明会、インターンシップ、面接が浸透した。
「コロナ禍で一気にオンライン化が進みました。オンラインでも学生の人物評価は意外とできると企業側は手応えを感じていますし、地方の学生と接触しやすくなる、学生の交通費や宿泊費を削減できるというメリットもあります。大企業を中心に最終面接までオンラインという会社も増えています」

 流動化する就活戦線。学生へのアドバイスを聞いた。

「いままでは一括採用が主だったため、一斉に就職活動の準備をはじめ、就職してから会社のジョブローテーションのなかでキャリアを考えていくということもできました。今後、デジタル化、グローバル化が進み、労働市場が開放されると、何ができるかがより問われるようになります。将来を見据え、そのために学生生活で何を学び、どういった経験をするべきか、どんな情報を集めるべきか。WHATとWHYを明確にして能動的に動くようにしてください」