コンプレックスだらけの佐藤二朗 最近、人前で話すのが少しだけ楽しくなった理由は… (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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コンプレックスだらけの佐藤二朗 最近、人前で話すのが少しだけ楽しくなった理由は…

連載「こんな大人でも大丈夫?」

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俳優、脚本家の佐藤二朗さん

俳優、脚本家の佐藤二朗さん

 あと、顔が白い。なので緊張するとすぐ顔が赤くなる。これがもう恥ずかしくて仕方なかった。親から「色白は七難隠す」と慰められても、やはり色白はコンプレックスでしかなかった。あと歯並びが悪い。これも自分をとんでもなく卑屈にさせた。だから、本当に人前で話すのは苦手だった。

 ホンマかいなと思われるかもしれない。でも本当に、ごく最近まで、人前で話すことは苦でしかなかった。いや、今でも多少は苦であるが、最近「あれ?」と思った。

 たまたま、対談する番組が続いた。テレビで石橋貴明さんと。ネット配信で稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾くんと。ラジオで大泉洋くんと。

 その時、思った。「あれ?俺、話すの楽しいかも」と。

 もちろん上記の方々が聞き上手で、波長が合う、ということもあるだろう。ただ、昔、感じていた数々のコンプレックスが自分の中でいつしか「どうでもいいや」と思えていることに気づいた。

 もちろん、たとえば顔のデカさは、むしろネタになったり、歯並びの悪さは、映画「20世紀少年~第2章~最後の希望」でライフルを般若のような顔で構えるシーンで監督の堤幸彦氏から「歯並びの悪さが逆に良いね」と言われたり、そういうことが影響してるかもしれない。

 しかしやはり、僕自身が僕自身のコンプレックスを「どうでもいいや」と思えたことが大きいのではないかと思う。「武器にする」とまでポジティブにはなれないまでも、「どうでもいいや」と。

 なんだよ歳取って投げやりになって鈍感になってるだけじゃねえか、とお思いの諸兄。その通りかもしれん。ただ、時には、投げやりも鈍感も、力に変えられることがあるのかもしれんよ。

 と、まあ、最後なんとなくもっともらしい結びにしてみたわけだが、皆さんにこれだけは強く言っておきたい。

俺は奥二重だ。

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)が近日公開予定


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佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。

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