ヤクルト・山田哲人 (c)朝日新聞社
ヤクルト・山田哲人 (c)朝日新聞社

 ヤクルト山田哲人の不調は進路に大きな影響を及ぼすのか……。

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 球界を代表する強打者の調子が上がってこない。8月30日のDeNA戦では、満塁弾を含む4安打5打点の大当たりを見せたが、それでも9月3日時点で打率.262、6本塁打、33打点、8盗塁と苦しい状況が続いている。

 3日に国内FA権の取得条件を満たし、今オフ補強の目玉として各球団注目の的。その行方が球界に与える影響は甚大で球界勢力図に絶大なインパクトをもたらす。

 ヤクルト打線の核は、7月27日、上半身コンディション不良が原因で1軍出場選手登録を外れた。

「本人は10日で帰ってきますと言ったが、あせらす気持ちはない。状態が良くないのに(ベンチに)置くのも心が痛む。自分から休みますとは絶対に言わないけど、万全の状態でフルスイングする山田哲人をみんな見たいと思う」

 高津臣吾監督は苦渋の決断だったことを明かした。今季の山田は、それまでにも疲労が理由での欠場もしていた。

「練習時から打撃内容などが良くない時もあり、本人も口数が減っていた」と球団関係者は状況を説明する。

「打撃に関しては天才的で練習では思った通りに打ち返していた。そっちに打ちますよ、と宣言した方向へピンポイントで打ち返すような遊びをしていることもあった。それなのに今年は打撃投手の球でも打ち損じたり、詰まったりすることも多い。相当、調子が悪いようだ」

 周囲が心配するほどの打撃不調に陥っていた。練習でできないのに実戦で打てるはずがない。調子が上がらない時期が続くにつれて、天真爛漫な明るさも失いつつあった。

「ボールを呼び込んでドンっと振る、右足を軸にしてバシッと振るという感じではなく、スッと前に泳がされる打席が多い。こういう時はバットの面がレフト(方向)に向くことが多い」

 野球解説者・田尾安志氏は7月14日に自身のYouTubeチャンネルで不振の原因を分析していた。そこから2週間経過してからの登録抹消は、調子が上向かなかったためであることは明白だった。

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