■アーリング・ハーランド(20歳:ドルトムント/ノルウェー代表)

2019年5月に行われたU-20ワールドカップで1試合9ゴールを叩き込んでから、まだたった1年。この怪物は、怪物らしくいとも簡単にネットを揺らしていく。2019-20シーズンは、ザルツブルク・ドルトムント合わせて公式戦40試合で44ゴールと、メッシやC・ロナウドに匹敵する成績を残した。

とりわけ、普段からアンセムを聞くほど憧れ続けた舞台であるチャンピオンズリーグでの成績は驚異的。2019年のデビュー戦で10代選手としての史上初のハットトリック、史上初のデビューシーズンで二桁得点到達と、8試合で10得点をマーク。世界トップレベルが集まる大会で、世界トップレベルのパフォーマンスを見せてきた。

彼もまた、自身の成功のために努力を惜しまない。幼少期のころから食生活や睡眠を重要視し、ヨガや瞑想を積極的に行っている。そんな彼が憧れてきた選手はズラタン・イブラヒモヴィッチ。自身との共通点として「ゴール中毒なとこだね」と語っている。インタビューでも、イブラヒモヴィッチを彷彿とさせるような大物っぷりを存分に見せるハーランド。はたから見れば急速にスターへの階段を駆け上がっているように見えるが、本人は「順調に進んでいるね」と予想の範囲内だったようだ。バロンドールを手にする日もそう遠くないだろうが、それもまた彼にとっては予想の範囲内なのかもしれない。

■ジェイドン・サンチョ(20歳:ドルトムント/イングランド代表)

マンチェスター・シティのトップチームで出番を得られず、ドイツへ渡ってから3年。サンチョがこれほどの選手になると予想できた人はそう多くはないだろう。2019-20シーズンに至っては、ブンデスリーガ32試合で17ゴール17アシストと圧巻のプレーを見せた。ドルトムントではすでに公式戦99試合で34ゴール43アシストを記録している。

2017年のU-17ワールドカップ優勝を経験すると、その翌年にはフル代表にもデビュー。近年着実に成功を収めつつあるイングランド育成の代表例として、ギャレス・サウスゲイトのチームに定着した。来年のEURO2020、そして2022年ワールドカップへの期待は国内で高まり続けているが、彼は間違いなく主役の1人となるだろう。この大会でのパフォーマンス次第では、世界最高の選手に贈られる名誉を受け取ることになるかもしれない。

20歳にしてすでに市場価値は1億ポンド(約139億円)を超えるサンチョ。彼に関しては練習への遅刻が相次ぐなど、ピッチ外の振る舞いは正すべき部分はあるものの、そのクオリティは誰もが認めざるを得ない。

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GKで2人目となるバロンドール候補も!