10代妊娠相談が1.8倍増 コロナ外出自粛がもたらした女性への悪影響 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

10代妊娠相談が1.8倍増 コロナ外出自粛がもたらした女性への悪影響

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

このエントリーをはてなブックマークに追加
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

写真はイメージ(GettyImages)

写真はイメージ(GettyImages)

 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「緊急事態宣言や外出自粛がもたらした女性への影響」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

*   *  *
 新型コロナウイルス感染症の流行が女性の健康にもたらす深刻な影響が、次第に明らかになってきました。各地で学校が休校になった3月から5月にかけて妊娠相談窓口に10代から寄せられた相談件数が前年の1.8倍に増えたことが判明したというのです。

「妊娠したかもしれない」といった不安が相談の大半だったものの、性行為をした人のうち、正しい避妊方法を取っていた(挿入前からコンドームを装着する、など)人は、前年の同時期の51%から32%に減少。検査薬で妊娠判定が出ていた相談者は16.9%を占め、誰にも相談していないと答えた人は14% (68%) だったと言います。

 緊急事態宣言が解除されたもののまだまだ受診を控える方が多い一方で、薬を切らしていたが、ようやくクリニックを受診することができるようになったという方が次第に増えて来ました。その中には、低用量ピルの内服再開を希望されてクリニックを受診される女性もいらっしゃいます。

 その方は、「緊急事態宣言中に低用量ピルが切れてしまったものの、クリニックを受診することがなかなかできなかった。けれども、やはり月経痛が辛いので低用量ピルの内服を再開したい」とおっしゃっていました。「コンドームのみの避妊だけはどうも不安だったので、低用量ピルの内服を再開したい」という方もお越しになりました。

 このように、女性が新型コロナウイルス感染への恐れや外出制限による医療施設への受診控えや医療施設の閉鎖や女性に対する保健サービスの制限が、世界中の女性の健康に陰刻な影響をもたらすことが予測されたという調査データが、国連人口基金(UNFPA)より発表されています。新型コロナウイルスによる直接的な影響を予測するとともに、感染拡大の影響によって中断された事業の影響と組み合わせて算出された推計によると、

・ロックダウンが6カ月間続き保健サービスに関する深刻な崩壊が起きた場合、114の低・中所得国で4,700万人もの女性が避妊具や避妊薬を入手できなくなり、700万もの望まない妊娠が生じる
・ロックダウンが3カ月間延長される毎に、さらに最大200万人もの女性が避妊具や避妊薬を使用できなくなる
・ロックダウンが少なくとも6か月間続いた場合、ジェンダーに基づく暴力が3,100万件増加し、ロックダウンが3カ月間延長される毎に、さらに1,500万件のジェンダーに基づく暴力が増加する

などが予測されうるといいます。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい