2千年以上前からあった「上工は未病を治す」 現代の予防医学に通じる漢方 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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2千年以上前からあった「上工は未病を治す」 現代の予防医学に通じる漢方

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石川美香子dot.#ヘルス#病気#病院
※週刊朝日ムック『未病から治す本格漢方2020』より

※週刊朝日ムック『未病から治す本格漢方2020』より

 最近よく耳にする「未病」は、寝たきりにならずに元気に過ごせる「健康寿命」を延ばすための重要なキーワードです。知っているようで知らない「未病」について、週刊朝日ムック『未病から治す本格漢方2020』では、北里大学東洋医学総合研究所名誉所長の花輪壽彦医師に解説してもらいました。

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 病気ではないけれど、どことなく具合が悪い──こうした不定愁訴は現代人の多くが抱えています。しかし、西洋医学においては、検査などで数値にあきらかな異常が見られないかぎり、治療の対象にはなりません。西洋医学では、まず検査・診断により病気を確定し、そこから治療が始まるためです。

 これに対し漢方では、健康と病気をはっきりと区別して考えないため、西洋医学的には治療の対象とならないグレーゾーンの状態=「未病」も治療します。漢方における病気のプロセスとは、病気を引き起こす因子=「邪気(じゃき)」がからだの表面から入って、からだの浅い部分にしばらくとどまり、病気を防ぐ因子=「正気(せいき)」と戦います。

 正気が弱いと、健康な状態から徐々にからだの気血水のめぐりに不調をきたし始めます。最初の兆候として、からだの表面で軽い症状(さむけ、だるさ、関節痛など)が見られるようになります。邪気は少しずつからだの内側へと侵入し、からだが不調にあらがいきれなくなると五臓六腑にも変調が見られるようになり、病気を発症すると考えます。つまり未病とは、邪気が五臓六腑に入り込む前の段階です。この段階で適切に対処することができれば、病気に進行することなく、再び健康を取り戻せると考えます。

 漢方治療が未病の段階、つまり西洋医学的検査で異常がないか、異常があっても病名がつかない段階から対応でき、「大病にならないうちに対処できる」という意味では、現在の「予防医学」にも通じるものです。ただし漢方では、この「未病の治療」にこそ積極的な主眼が置かれているのです。


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