中央本線の特急「あずさ」などで使用されてきたE257系が東海道本線の特急「踊り子」に、羽越本線・磐越西線などで使用されてきたキハE120系が只見線に転用されることが2019年11月28日にJR東日本から発表された。さらに、山手線で活躍してきたE231系500番代は最新型のE235系に置き換えられ姿を消している。このように、首都圏の大動脈から地方路線に至るまで、JR東日本管内では新車の導入が進められているが、これまで各線区で活躍してきた在来車の行方について解説していく。
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■E257系は伊豆への足に
E257系は、中央本線の特急「あずさ」「かいじ」、房総方面の特急「わかしお」「さざなみ」「しおさい」「あやめ」用に導入された特急形電車で、2001年12月に中央本線用の0番代(基本9両編成、増結2両編成)が、2004年10月に房総各線用の500番代(5両編成)がそれぞれ導入され、国鉄型の183系ならびに189系を置き換えた。
特急「あずさ」「かいじ」の定期列車がE257系0番代に統一された2002年12月以降、中央本線の定期特急列車はこのE257系0番代と特急「スーパーあずさ」用のE351系の2車種が使用されていた。転機が訪れたのは2017年12月で、新型特急車E353系が特急「スーパーあずさ」でデビュー。2018年3月までにE351系をすべて置き換えた。E353系はその後も増備を続け、E257系0番代も順次E353系へ置き換えられた。2019年3月のダイヤ改正時に中央本線の定期特急列車はすべてE353系に統一されている。また、房総方面で使用されていたE257系500番代についても、2015年3月のダイヤ改正で成田線の特急「あやめ」が廃止、内房線の特急「さざなみ」が減便され一部編成に余剰が発生していた。
一方で、東海道本線の特急は「踊り子」の185系が製造から40年、「スーパービュー踊り子」の251系も30年が経過している。JR東日本は2020年3月14日のダイヤ改正から、新型特急車E261系を使用した観光特急「サフィール踊り子」(東京・新宿~伊豆急下田間)の運転を開始するが、これに伴い「スーパービュー踊り子」は廃止、251系は引退する。