「たくさんあるよ。でも教えない」 王貞治を追いかけ続ける城島、不変の美学とは? (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「たくさんあるよ。でも教えない」 王貞治を追いかけ続ける城島、不変の美学とは?

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山岡則夫dot.
会長付特別アドバイザーとして古巣に戻った城島健司 (c)朝日新聞社

会長付特別アドバイザーとして古巣に戻った城島健司 (c)朝日新聞社

 ハリケーンのような猛威をふるい、あっという間に去っていった。城島健司ソフトバンク会長付特別アドバイザーは、10日間のキャンプ視察で存在感をイヤというほど発揮した。

【写真】「平成のゴールデングラブ賞」を選ぶとしたら、捕手は城島、二塁手はこの選手

「指導はしません」と事前には語っていたが、求められれば答えるのがこの男。感想や雑談という形で選手たちに適切な助言を与えていた。また連日、多くの選手たちと食事を共にしたことも明かした。肩書き以上の大きな働きであり、なにより本人が一番楽しんでいるように見えた。そして現役時代から一貫する姿勢もそこにあった。

「カッコいい」

 現役時代からことあるごとに口にしてきたセリフであり、求め続けてきたこと。今キャンプ視察後の会見を飾ったのも同じ言葉だった。

「男としてカッコいいな、と思いましたね」

 キャンプ初日、王貞治会長から「おいジョー、ときめくだろう?」と声をかけられた。世界記録保持者であり誰もが認める伝説の男が、いまだキャンプインに心躍らせる。そこに「カッコいい」と感じることこそが、変わらない城島自身の感性であり美学だ。

*  *  *
 城島の「カッコいい」の原点は、まさに王会長その人だ。子どもの頃、王会長に野球教室で指導を受けたことがある。

「僕は身体が大きかったから、会長に前へ呼ばれて『君、良いね。このまま大きくなったら巨人に入りなさい』と言われた。その時から真似して左打ちの一本足打法を練習した」

 王貞治になる、と思って左打ちを練習した少年は、プロに入っても打撃練習で左打席に立つこともあった。

「プロ入りしてやるのはバランスの修正が1番かな。でも左打席でもスタンドへ打てたらカッコいいしね」

 左打席で打ってスタンドまで運ぶセンスの良さを見せつけ、スタンドに詰めかけたファンからは大きな拍手を浴びた。

 さらに心を動かしたのは、メジャーリーグのスター選手たちだった。

「あんなカッコいい捕手いないですよ。あんな風になりたい。彼のプレーを見ていたら捕手になりたいって思うでしょ」


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