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【肝胆膵がん手術】専門医に聞くセカンドオピニオンをとるべきケースは?

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(イラスト/寺平京子)

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 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から回答を得た結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。病院ランキングだけでなく、治療法ごとの最新動向やセカンドオピニオンをとるべきケース、ランキングの読み方などを専門の医師に取材して掲載している。ここでは、「肝胆膵がん手術」の解説を紹介する。

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「肝胆膵がん」とは、肝臓がん、胆道がん、膵臓がんの総称で、いずれも難度の高い手術が多い。

 なかでも難治性がんの代表とされるのが膵臓がんだ。膵臓がん全体の5年生存率は10%未満で、他のがんと比較して低い。早期発見が難しく、手術ができる段階で見つかる割合は2~3割程度。周囲の臓器に広がりやすく、手術ができても5年生存率はおよそ20%にすぎないとされる。

 しかし「ここ10年ほどで治療法は大きく変化し、良好な成果を収めています」と関西医科大学病院の里井壯平医師は話す。10年ほど前から手術後に抗がん剤による化学療法が推奨され始め、再発率が低下。現在、術後の5年生存率はおよそ50%というデータもある。さらに2019年に日本から発表された無作為化比較試験では、術前にも抗がん剤を投与することで生存率が高まるという結果が出た。

「術前と術後に化学療法をおこなうことで、今後の5年生存率は上昇してくるはず」と里井医師は言う。この治療法は、19年に改訂された「膵癌診療ガイドライン」でも推奨されている。

 肝臓がんには「現在二つの潮流がある」と虎の門病院の進藤潤一医師は語る。ひとつは、からだへの負担の少ない低侵襲手術の追求だ。16年から腹腔鏡手術の適用の範囲が広がり、ほとんどの肝切除術で実施できる。ただし高難度の肝切除術に関しては、公的データベース(特定術式のNCD術前前向き登録)に登録する必要があるため、国内でできる病院は限られている。

 もうひとつは、安全性を高めたうえで大きく切除する試みだ。切除する側の肝臓の血管を前もって塞ぐなどして、将来的に残る肝臓部分を大きくすることで、従来の限界を超えた広範囲の切除が可能になっている。

「さらに重要なことは、抗がん剤の進歩です。従来は切除不可能と言われていた肝臓がんでも、術前に抗がん剤で腫瘍を小さくして切除できる可能性が広がった。だからこそ、外科的治療と内科的治療を組み合わせて判断できる総合力が問われています」(進藤医師)


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