■横浜FC D

 13年ぶりのJ1挑戦に向けて、右サイドバックのスペシャリストであるマギーニョを川崎から期限付きで獲得し、昨シーズンのJ2でブレイクした左サイドバックの志知孝明(←水戸)、京都で17得点のU-23日本代表FW一美和成、元日本代表GK六反勇治(←清水)、万能型MFの手塚康平(←柏)など開幕スタメンも狙える戦力を補強している。

 それでも残留は基本的にはJ1昇格を支えた選手たちがJ1の強度でどれだけのパフォーマンスを出せるかにかかっている。

 キーマンは昨シーズンに特別指定選手ながら主力として活躍した左サイドハーフの松尾佑介だ。彼の鋭いドリブル突破はJ1でも十分に通用する切れ味を持つが、できるだけ高い位置から仕掛けられるベースを構築したい。松井大輔や“キングカズ”三浦知良の豊富な経験も強みになるが、大卒2年目の中山克広、生え抜きのMF齋藤功佑、2001年生まれのFW斉藤光毅といった若い選手たちのシーズン中の成長にも期待したいところだ。

■湘南 C

 最終節に16位となり、入れ替え戦で残留を決めた昨シーズンから杉岡大暉(→鹿島)、山根(→川崎)、菊地俊介(→大宮)、山崎凌吾(→名古屋)などが抜けた。

 FW石原直樹(←仙台)が12年ぶりに復帰し、運動量が豊富な福田晃斗(←鳥栖)や対人守備に強い大岩一貴(←仙台)、サイドのポジショニングが巧みな馬渡和彰(←川崎)、攻撃ビジョンに優れる茨田陽生(←大宮)、テクニックとリーダーシップを兼ね備えた三幸秀稔(←山口)などJ1の実績豊富な選手や昨シーズンのJ2でインパクトを残したタレントが加わった 。

 U-23日本代表のMF齊藤未月や福岡からレンタルバックの石原広教など若手選手の成長分を加味すれば、残留を果たす素地はある。就任直後に沈んだものの、終盤戦にチームを立て直した浮嶋敏監督がキャンプから組織力を構築しながら、良い競争の中で開幕戦のベストメンバーを選択していけるか。うまくスタートダッシュできれば波に乗って行ける期待もある。

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昨季苦しんだ名古屋はどうか