試合開始前、台風19号の犠牲者に黙とうが捧げられた(撮影/写真部・東川哲也)
試合開始前、台風19号の犠牲者に黙とうが捧げられた(撮影/写真部・東川哲也)
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 ラグビーワールドカップ2019の予選プールAの最終戦となる第4戦が13日、横浜国際総合競技場(神奈川)で行われ、日本代表(世界ランク8位)がスコットランド代表(同9位)を28-21で下し、史上初となるベスト8進出を果たした。

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 台風19号の影響で、前日12日に同会場で行われる予定だったイングランド対フランス戦が中止となるなど、この試合も当日の状況によっては開催が危ぶまれていた。仮に中止となった場合でも日本代表は初のベスト8進出が決まっていたが、無事に試合が行われ、実力で初の快挙を成し遂げた。

 試合は過去8度のワールドカップで7度予選を突破しているスコットランドに対し、先制のトライとコンバージョンキックを決められたものの、その後にウィングの松島幸太朗や、福岡堅樹のトライなどで逆転に成功。前半を21-7で折り返した。

 後半も早々に福岡がこの日2つ目のトライを決め一気に勝利のムードが漂ったが、その後は強豪スコットランドの粘りに苦戦。2つのトライなどで点差を詰められたが、日本代表は粘りのディフェンスで何とか乗り切り、歴史的な勝利を飾った。

 英BBCスポーツによると、「ティア1」と呼ばれる伝統の強豪10チーム(日本代表は「ティア2」)以外のチームが準々決勝に進出するのは2007年のフィジー代表以来4チーム目。また、「ティア1」ではないチームが、「ティア1」のチーム(アイルランド、スコットランド)を同じワールドカップで2度下したのは、これまで1991年と1995年のサモア代表しか達成していない快挙とのこと。今大会、日本代表が番狂わせの起きないラグビーでいかに予想を超えた躍進をしているかが分かるだろう。

 日本代表の快進撃を海外の各メディアはこぞって報じているが、試合の内容だけではなく他の様々な側面も伝えられている。

 例えば、対戦相手となったスコットランドの地元紙デイリー・レコードは、試合前に日本のファンとスコットランドのファンが交流する姿の動画を紹介。その動画では、両国のファンが会場の外で肩を組み、スコットランドの国歌「Flower of Scotland」を仲良く歌う様子が映し出されている。

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国歌斉唱後に感極まった男性ファンにも注目