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過去11試合で7点差以上が5回… 甲子園決勝が大差になりがちな理由とは?

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井上啓太dot.
「全国高等学校野球選手権大会100回史」(朝日新聞出版)より作成

「全国高等学校野球選手権大会100回史」(朝日新聞出版)より作成

大阪桐蔭に敗れ、涙を流す金足農の吉田輝星。連投の疲れもあり、強力打線を前に大量失点を喫した(c)朝日新聞社

大阪桐蔭に敗れ、涙を流す金足農の吉田輝星。連投の疲れもあり、強力打線を前に大量失点を喫した(c)朝日新聞社

 実際に過去30年の選手権大会のデータをみると、1試合当たりの本塁打数は1989~98年が0.52本、99~2008年が0.70本、そして直近10年(09~18年)は0.83本だった。(「全国高等学校野球選手権大会100回史」(朝日新聞出版)より)07年から低反発球が導入されたにもかかわらず、年々本塁打が増加しているのだ。

 「豪打の盛付(もりふ)」として全国に知られる盛岡大付の前監督、沢田真一氏も、「高校生の打力はどんどん向上している」と話す。

「近年は『打てなければ勝てない』という考え方が広まり、強豪校は打撃練習に重点を置くようになりました。そこに科学的な知見が加わり、ベンチプレスなど豊富な練習メニューで高校生の打力がどんどん向上している。甲子園では1番から9番まで本塁打を打てる選手をそろえられるチームも珍しくありません」

 ”打高投低”が加速する現代の高校野球では、プロ注目の投手がひとりいたとしても、決勝戦までに力尽きてしまう可能性が高いのだ。

「2つ目は”サイン盗み”です。今大会はどうか分かりませんが、サイン伝達をしている疑いがあるチームは実は多い。全チームがやっているわけではありませんが、投げる球種がバレていれば、当然打たれやすくなるので球数も増えます」

 走者やベースコーチなどがサインを見て打者に伝える行為は、大会規則で禁止されている。だが、”サイン盗み”の事実は確認されなかったものの、今年の選抜では、2回戦の習志野(千葉)対星稜(石川)で、習志野の二塁走者が捕手のサインを盗み見て打者に伝達したとして、星稜の監督が相手監督に抗議するという騒動があった。

 ある強豪校の指導者は「サイン盗みはどこもやっていると思います。ある学校は事前に試合を偵察し、カメラでサイン出しの様子を撮影しているようです。最近はそのやり口がより巧妙になっているように思います」と証言する。

 力自慢の打者たちに、投げる球種を読まれる。そんな八方ふさがりの状況で、さらに投手を追い詰めるのが予選大会から続く過密日程だ。


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