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過去11試合で7点差以上が5回… 甲子園決勝が大差になりがちな理由とは?

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井上啓太dot.
「全国高等学校野球選手権大会100回史」(朝日新聞出版)より作成

「全国高等学校野球選手権大会100回史」(朝日新聞出版)より作成

大阪桐蔭に敗れ、涙を流す金足農の吉田輝星。連投の疲れもあり、強力打線を前に大量失点を喫した(c)朝日新聞社

大阪桐蔭に敗れ、涙を流す金足農の吉田輝星。連投の疲れもあり、強力打線を前に大量失点を喫した(c)朝日新聞社

 夏の甲子園大会が佳境を迎えている。高校球児たちが連日熱戦を繰り広げ、テレビにくぎ付けとなっているファンも多いだろう。球児たちにとっては「負けたら終わり」の戦い。1点を争うシーソーゲームや最終回の逆転劇など、語り継がれる名勝負が生まれるのもうなずける。その一方で、近年、決勝戦は大差での決着が多いことにお気づきだろうか。

【決勝で涙をのんだ吉田輝星の写真はこちら】

 「大差がついた決勝戦」として記憶に新しいのは、2018年の金足農(秋田)と大阪桐蔭(北大阪)の試合。金足農が秋田県勢として103年ぶりとなる決勝進出を果たした「金農旋風」に日本中が沸き、注目された試合だ。だが試合は13対2と大阪桐蔭の圧勝だった。それまで地方予選から甲子園準決勝まですべての試合を一人で投げぬいてきた金足農のエース・吉田輝星(現北海道日本ハムファイターズ)だったが、5回12失点と力尽きた。

 過去の決勝戦を振り返ると、2008年の第90回大会から18年の第100回大会の決勝戦11試合のうち、地方大会でコールドの目安ともなる7点差以上の差がついた試合は半分近い5回だった。ちなみに、両チームの合計得点が10点以上となった試合は7回。決勝は点差が開きやすいだけでなく、投手が大量失点しやすい傾向にもあるのだ。

 その理由について、『甲子園という病』(新潮新書)などの著書があるスポーツジャーナリストの氏原英明氏は、「やはり『投手の疲弊』が最大の理由でしょう。高校野球では、投手、とくにエースが非常に過酷な環境に置かれています」と話す。そして投手の疲弊を招く原因に、打力向上、サイン盗み、過密日程の三つを挙げる。

「情報化社会の進展により正しいトレーニング方法が普及し、高校生の打力は著しく向上しています。それなのに金属バットを使いつづけている。強打者が増えたことで、投手は慎重にコースを突くようになるので、ボール球から入ったり、四球が増えたりと、球数が増えてしまう。とくに夏は春より打力が上がっていて、『打者有利』に拍車がかかります」


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