清原の数字は規格外すぎるが、根尾がお手本になるのは中日の先輩・立浪和義だ。立浪は88年にPL学園からドラフト1位で中日に入団。打撃3部門の成績を見ると平凡に映るが中身は濃い。6月までは打率・290まで伸ばすなど高校生離れした打撃センスを披露。22盗塁、21犠打と小技と機動力に加え、遊撃でも守備範囲が広くチームのピンチを幾度も救った。中日がリーグ優勝を飾り、立浪は貢献度も加味されて新人王を受賞した。根尾も立浪と同じ遊撃手で定位置獲得を狙う。

 遊撃の守備の負担を考えると高卒ルーキーに打撃で多くを求めるのは酷だが、潜在能力は計り知れない。京田陽太という強力なライバルがいるが、試合に出続けて規定打席に到達すれば新人王の可能性は十分にある。藤原もロッテの外野陣が角中勝也以外はレギュラーが決まっていないチーム状況を考えると、十分にチャンスはある。根尾と同様に走攻守そろったタイプだけに、プロでの対応力が注目される。

(梅宮昌宗)