大阪桐蔭・藤原恭大 (c)朝日新聞社
大阪桐蔭・藤原恭大 (c)朝日新聞社

 今月25日に開かれるプロ野球ドラフト会議。今年も大阪桐蔭・根尾昂や金足農・吉田輝星をはじめ、球界の未来を担う逸材が揃っている。では、いったい各球団はどんな選手を獲得すればいいだろうか。野球ライターの西尾典文氏に過去の傾向も踏まえて、12球団の「おすすめ選手」を分析してもらった。今回は今季セ・リーグ最下位に沈んだ阪神タイガースだ。

*  *  *

 17年ぶりの最下位に沈み、金本知憲監督の突然の辞任に揺れる阪神。過去10年間の指名選手の内訳は下記の通りとなった。

・過去10年支配下指名選手内訳
高校生投手:10人(主力:2人 戦力:3人)
高校生野手:6人(主力:1人 戦力:3人)
大学生・社会人投手:22人(主力:4人 戦力:4人)
大学生・社会人野手:19人(主力:4人 戦力:5人)

・過去10年上位指名選手内訳
高校生投手:3人(主力:1人 戦力:0人)
高校生野手:2人(主力:1人 戦力:0人)
大学生・社会人投手:10人(主力:3人 戦力:2人)
大学生・社会人野手:5人(主力:2人 戦力:2人)

・過去10年育成指名選手内訳
高校生投手:1人(主力:0人 戦力:1人)
高校生野手:3人(主力:0人 戦力:0人)
大学生・社会人投手:2人(主力:0人 戦力:0人)
大学生・社会人野手:4人(主力:0人 戦力:0人)

 全体でも上位指名でも大学生・社会人の即戦力狙いがよく分かる。上位指名20人のうち半数が大学生・社会人の投手で、そこから主力が3人、一軍の戦力が2人出ているのだから成功率は決して低くない。ただ主力3人の顔ぶれは榎田大樹、岩貞祐太、小野泰己であり、やや物足りなさは否めない。一方で高校生は投手、野手とも指名の数は少ないものの、意外に戦力になっていることが分かる。これは金本監督の抜擢と掛布雅之前二軍監督の育成の影響によるものだが、首脳陣が変わってもその流れは続けていきたい。以上のような状況を踏まえて「おすすめ選手」をシミュレートしてみた。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
阪神が獲得すべき「おすすめ選手」は