下位指名で狙える選手で面白いのが羽田野。大阪の公立高校のため大舞台での実績はないものの、たくましい体格から投げ込むストレートの威力は高校生では上位。力任せではなく、テイクバックでうまく脱力できるところにもセンスの良さを感じる。この夏は履正社を相手に終盤まで接戦を演じるなど好投を見せた。

　内野手は即戦力は必要ないが、高校卒の若手が植田海くらいしか見当たらないため、一人は将来性のある選手を狙いたい。増田は今年の選抜でトップバッターとして3試合で3本の長打を放った強打が魅力のショート。攻守ともにまだまだ粗さはあるものの、積極的なプレースタイルは大きな魅力だ。数年間二軍でしっかり鍛えれば、北條や大山の後釜候補となる可能性も十分にあるだろう。

　ドラフトにも強い影響力を持っていた金本監督の急な退任が、ドラフト戦略に及ぼす影響も大きいと考えられるが、積極的な抜擢もあり、過去数年の指名は決して悪いものではない。昨年はくじ引きを二度外したこともあって無難な指名の印象だが、攻めの姿勢を見せたことは評価できる。今年もその流れを続けられるかが今後のチームに大きな影響を与えることになるだろう。

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文／1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所（PABBlab）」でも毎日記事を配信中。

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